芝草の研究や管理などベントグラスについて最新の知見を紹介しよう。
画像: ゴルフ場の芝管理(写真はイメージ)

ゴルフ場の芝管理(写真はイメージ)

先頃、日本で行われた芝草セミナーで講演をしたマイカ・ウッズ博士の「最新ベントグラスの成功法則」が興味深い。

まずはウッズ博士のプロフィール──。オレゴン州立大学で園芸学学士号、コーネル大学で芝草学博士号を取得。この間、米国内の6ゴルフ場、中国上海、日本のゴルフ場でもグリーンキーパーとして過ごす。マスターズ(12回)、全米オープン(2回)、全英オープン(3回)などで現場支援を行った。

そんな博士が発表した同成功法則。世界各地のコースを視察して、管理手法は日進月歩であり、単に書物などからの知識に頼ってはリスクがあると。自身が15年前に主張していたことと、現在正しいとすることは大きく違ったりする。つまり既存の書物はたとえ最新版でもすでに過去の情報であるケースが多いと喝破したのだ。

その一例として有名な『芝生病害概説4版2023年』の一説を例示した。そこには年間の平均的な適正チッソ施肥量の量と目砂量が表示されているが、「世界の一流コース管理者はこのような書物の数字を目安にしていない。そのゴルフ場の置かれた環境を考慮して管理している。そのためチッソ施肥量も目砂量も一定でなく常に変化する」と同博士。

またグリーンスピードについては、24年に全米アマ開催のヘーゼルティンナショナルGCを例に出す。180日間計測した結果、平均12フィート以上の日が46%、平均10フィート以上の日が89%で、常にスピードの出るコンディションを維持しているという。

「これには転圧をかけ、刈り込みを多くする手法が用いられている。日本ではルーティン化されていないが、米国の場合、スピードを優先するところではすでに一般的なことである」(同博士)

専門的すぎて一般ゴルファーには難解だろうが、メジャーでの速いグリーンを観戦する際のトリビアにしてもらいたい。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月11日号「バック9」より

ゴルフ場のトリビア

This article is a sponsored article by
''.