
7月から完全スループレーに移行し、レストランも廃止した高槻GC
大阪府にある高槻GCは昨年7月から完全スループレーに移行し、レストランも廃止した。これにはどういう意味があったのだろうか。同GCは街中の河川敷コースであり、元々平日は到着順にスループレー、土日祝日は予約制ながら半分スループレーだったが、要望が増えていることから完全スループレー(2部制)に踏み切った。
それまでレストランは、休憩ありのプレー枠がある土日祝のみ営業し、平日はキッチンカーを出し、カレーなど提供していた。しかし移行と同時にレストラン自体を完全に廃止した。ただし、何か食べたいという要望には応えられるようカツカレーなどの冷凍食品の自動販売機と電子レンジを設置し、飲食スペースを設けた。
「来場者の反応として"食"に関しては特に意見はなかったですね。大多数はゴルフを楽しめればOKで、その意味からするとスループレー賛成という声がほとんどでした」(同GC社長、佐藤祐康氏)
また、同氏は日本ゴルフ場経営者協会の理事でもあり、一番の課題としてゴルフ人口の減少を挙げる。団塊世代がゴルフからリタイアし、若い人がゴルフを始めるにしても、現在年間9000万人の利用者は10年後には8000万人になると試算している。
いかにして若者ゴルファーを取り込むか……。
同氏が経営するもう1つの吉川インターゴルフ倶楽部MECHAでは、29歳以下はプレーフィ半額の制度のほか、若者に料金を安くする施策を6年ほど前から始めている。
結果、29歳以下の来場比率が125%に増えたという。18ホールスループレーが基本。カジュアルでスポーティな雰囲気を大事にして、ドレスコードもフリー。ハーフターン時にカフェでホットドッグなど軽食をテークアウトしてコースに出るというスタイルも若者に受けている。
「だからといって若者にこびてはいません。むしろゴルフの本質を知ってもらいたくて、高槻もですが、コース改造やメンテに非常に力を入れています」(前出、佐藤氏)この2つのゴルフ場、これからのコースの在り方を示唆しているようだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年3月11日号「バック9」より