今回は『テーラーメイド Qi35 MAXドライバー』を紹介します。昨年、上下左右のヘッドの慣性モーメントが1万g・㎠を超え「10K」というフレーズでギアファンを賑わしたテーラーメイド。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「直進性に磨きをかけた大慣性モーメントヘッドは健在」と言います。兄弟モデルの『Qi35ドライバー』と比較しながら分析していきます。
画像: 【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●58.0度 体積●460cc 価格(税込)●9万9000円 ※メーカー公表値

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●58.0度 体積●460cc 価格(税込)●9万9000円 ※メーカー公表値

ミスヒットへの強さを凝縮したドライバー

GD 今回はテーラーメイド『Qi35 MAXドライバー』(以下、MAX)を兄弟モデルの『Qi35ドライバー』(以下、標準)と比較しながら分析していただきます。『Qi35』の分析結果はモデルの中で中間の立ち位置にあたるポジションで、“飛び”と打点ブレに強い“やさしさ”の両方を兼ね備えていました。

松尾 はい。ヘッドデータ以外にもヘッドの後方、フェース側に重さの異なるウェイトが搭載されていました。2つのウェイトを入れ替えることで飛距離性能を高めるのか? それともお助け機能を強調するのか? 自分好みにカスタマイズできる点も『標準』の特徴でした。

GD 『MAX』はどんな性能が備わっているのでしょうか?

松尾 『標準』と同様にウェイトが搭載されているのですがヘッド後方の1箇所のみになっています。しかし重さが34gとシリーズ中最重量の設定になっていることから、大慣性モーメントを狙ったヘッド設計がされていると考察できます。

画像: 赤丸で示したのがウェイト。左の『標準』は13g、3gが搭載されている。一方の『MAX』は一つだけだが34gという非常に重いウェイトが搭載されている。松尾氏は「打点ブレへの強さを高める意図を感じる」と分析

赤丸で示したのがウェイト。左の『標準』は13g、3gが搭載されている。一方の『MAX』は一つだけだが34gという非常に重いウェイトが搭載されている。松尾氏は「打点ブレへの強さを高める意図を感じる」と分析

GD 『標準』のウェイトが13g、3gですから『MAX』のウェイトがとても重いことが分かりますね。注目のヘッドデータはありますか?

松尾 フェース角、ライ角、重心距離、重心深度、ヘッドの慣性モーメントに特徴が表れていました。

GD フェース角からお願いします。

松尾 『標準』はスクエアフェースでしたが、『MAX』はフック0.5度とやや被り気味になっています。合わせてライ角を見てみると『標準』が56.0度、『MAX』が58.5度。フラット設定の『標準』に対して『MAX』は2.5度アップライトになっています。

GD 『MAX』はつかまりを意識していると言えそうです。重心設計についてよろしくお願いします。

松尾 重心距離が『標準』42.4ミリ、『MAX』43.8ミリ。重心深度は『標準』42.6ミリ、『MAX』46.6ミリでした。『標準』の重心設計も深く、長い値ですが、『MAX』はさらに伸ばされていることが分かります。そしてヘッドの慣性モーメントを比較すると『標準』が5355g・㎠、対して『MAX』が5999g・㎠と非常に大きな値になっています。

ヘッド後方に搭載している重いウェイト、「非常に長く、深い」重心設計がされている理由はミスヒットによる打点ブレに強いヘッドにするための物と言えそうです。

GD テーラーメイド『Qi35 MAXドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 この他にも重心が「長く、深い」設定で、ヘッドが大きいので操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいです。器用にフェースローテーションを駆使してボールを曲げるのが苦手なドライバーです。言い換えると素直なヘッドの動きでオートマチックに扱えます。

これらを踏まえると、お助け機能の力を借りて安心して飛ばしたいゴルファーは試されると良いでしょう。

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