横幅が広い安心のつかまり顔
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打が10.5度、計測ヘッドは9.0度、シャフトは「ALTAJ CB BLUE」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
ライ角が60.0度とかなりアップライトなのに加えて、フェース角がフック設定という組み合わせで、つかまり性能が強くなった
クラブの長さは45.5インチとやや長く、クラブ重量が304.7グラムとやや重いですが、スウィングウェイトがD0.9と抑えられています。その結果、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが291万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。
ヘッド形状は横幅が非常に広く、投影面積が大きく、全体的に扁平のシャローな設計です。実際に試打したところ、アドレスでは前モデルの『G430 SFT』はオープンフェースでしたが今モデルではややフックフェースになり、ライ角もかなりアップライトなので、よりボールをつかまえてくれるイメージが湧きます。

左から『G430』、『G440』。今モデルは全体的に横に広くふっくらとしている
試打シャフトは従来よりも適度なしっかり感があり、インパクトの再現性もいい感じで、ヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーでも扱えそうです。
前モデルの「G430シリーズ」は高重心設定でしたが、今モデルでは標準的な低重心率になったのが大きな特徴です。従来の「ピン」の各モデルと比べて低スピンの弾道が打ちやすくなっています。また「SFT」だけが試打クラブのリアルロフト設定が12.0度と大きな設定なので、ボールが上がりやすくなっています。
ヘッドの重心深度(基準値:39.0ミリ〜40.0ミリ)が44.5ミリと非常に深く、ヘッドの慣性モーメント(基準値:4600〜4799g・㎠)が5165g・㎠と大きく大慣性モーメントを狙った設計で、芯を外れたミスヒットに強くなっています。
ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいので、オートマチックにつかまえて飛ばせます。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月8日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より