後続に3打リードして迎えた最終日。ハーマンは前半ボギー2つ、ダブルボギー1つを叩き、ツアー初優勝なら初のマスターズ出場が叶うアンドリュー・ノバックとの競り合いとなった。
しかしホールアウト後に「悪夢のようだった」といいながら、12番と14番のバーディで持ち直すと終盤2ボギーを叩いたものの、ノバックが上がり2ホール連続ボギーで後退(3位タイ)し単独2位に浮上したライアン・ジェラードに3打差をつけ逃げ切った。

PGAツアー「バレロ・テキサス・オープン」を制したブライアン・ハーマン(写真/Getty Images)
「このコースでこういう結果を出すことができてとても幸せです」と38歳のハーマン。キャリア最大の勲章である全英オープンを制覇して以来、苦戦が続いていたため世界ランクトップ50から陥落する寸前だった。
瀬戸際で耐え切り再び栄冠を掴んだが、タフなコンディションに加え彼にとって気が重かったのは家族の親しい友人キャシー・ダウディさんを思いながらのラウンドだったから。
昨年の10月PGAツアーの本拠地フロリダ州のポンテベドラビーチで休暇を楽しんでいたハーマン一家。その際、6歳の息子が離岸流に流され溺れそうになるというアクシデントが起きた。
そのとき息子の救出を手伝ってくれた命の恩人キャシーさんが、その後、昏睡状態に陥っていた。「重い気持ちでプレーしていた」というのは「彼女の調子があまり良くない」のが理由。「彼女のことを1日中考えながらプレーしていました」とその胸中を話した。
久常涼が難コンディションのなか5位タイフィニッシュ
トミー・フリートウッドが81を叩くなど平均スコアが74.8だった最終日、日本勢でただひとり予選を突破した久常涼はスコアを落としつつ、バルスパー選手権の4位タイに続く今季2度目のトップ5(5位タイ)に食い込んだ。
「今日は本当にタフな戦いでしたが耐えながらバウンスバックしたりできました。でもツメが甘かった。結果は良かったけれど悪い終わり方(18番ボギー)をしてしまったので悔しい」と唇を噛み締めた。
2年連続でのマスターズ出場は逃したがスウィング5(直近4試合でのポイントランク上位5人)に入ったことでマスターズの翌週のシグネチャーイベント「RBCヘリテイジ」への出場が確定した。
松山英樹が予選落ちした大会で終始上位争いに加わった久常の今後に期待だ。