マスターズ前週に行われたバレロテキサスオープンで予選落ちとなり、ひと足早くオーガスタ入りした松山。オーガスタ女子アマ決勝の翌日曜日には、ジュニアゴルファーたちの大会「ドライブ、チップ&パター」が開催されたが、その裏で松山英樹は18ホールをみっちりとラウンド。
天気予報ではマスターズ練習日初日の月曜日が雷雨。マスターズ委員会からは当日朝8時にオープン・クローズの判断をすると通知を出していた。その予報通り月曜日は大雨となり、途中でクローズとなってしまった。雨は月曜深夜まで続いたが、明け方には止み、日の出を迎えた7時過ぎには雲一つない快晴に。とはいえ、前日の雨を考えると、コースの地面はかなり水を含み、ぬかるんでいるものと思っていた。

火曜日、松山はアウト9ホールをラウンドしたが、プレーエリアでは前日の雨の影響をまったく感じさせなかった
しかし、実際にコースに行ってみると、パトロンが移動のために歩くラフで一部ぬかるんだ場所はあったものの、選手のプレーエリアは前日の雨をまったく感じさせない。「オーガスタナショナルはすごく水はけがいいんだな」と感心してコースを見て回っていると、「ブオー」という空気が噴き出すような音が聞こえた。はじめは近くの空港に飛行機が離着陸する音かと思ったが、よく聞くと、どうやらその音は地面から聞こえてくる。その音の方向をたどっていくと、地面に空いた穴から空気が噴き出しているのに気付いた。

コースわきのいたるところに同じような空気孔が設置されている
オーガスタナショナルはグリーンのコンディションを維持するため、2005年からグリーンの下にパイプが埋め込まれ、パイプに雨水を吸い込んだり、パイプから空気を送り込んだりしている。グリーンだけでなく、コース内にも同じようなシステムが採用されているようで、コースのいたるところに空気の排出口が設置されていた。ただ、空気が出ているところもあれば、何もない場所もあった。すべて同時に作動しているのではなく、必要に応じて動作するもののようだ。

この穴の中からエアコンのように空気が噴き出し、ゴーという大きな音をあげていた
ちなみにこの排気口のほかに、地面に設置された電気系統の蓋やごみ箱、砂まですべて緑で統一。テレビで見ると一面緑で絨毯のように見える
かくして、いずれの選手も前日に大雨が降ったとは思えないほど快適に練習ラウンドをこなし、初日に向けて調整を行っていた。選手たちの最高のパフォーマンスを引き出すために最高のコンディションを提供するオーガスタナショナルGC。世界最高のトーナメントがもうすぐ開幕する。