ヨネックス『EZONE GT MAX ドライバー』の試打を早速、動画で確認
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youtu.be最近のドライバーのトレンドである「慣性モーメント」。その数値が大きいとミスに強く、直進性が高いといわれる。数値の大きさをMAXの名で表したヨネックス『EZONE GT MAX』。搭載テクノロジー『ストライクスピードカーボン』は、ソールのフェース近くにチタンを極限まで薄くし、そこにカーボンを配置。特にフェース下部のスイートエリアの拡大を実現し、ミスヒットにも強くカーボンの反発性能により弾き飛ばすという。クラウンに新素材『2G-Namd Speed』を採用し、強靭なしなり戻りの復元力がアップし、ボール初速を高める。シャフトは大きなしなりと素早い戻りの新カーボン素材『2G-Namd』を手元部に搭載し、インパクトの衝撃を受け止めボールを強く弾く。このシャフトとヘッドの相乗効果で、ミスヒットに強くボールを強く弾き飛ばすというモデルだ。
ヨネックスが得意とするカーボン素材の搭載により『シャフトとヘッドの相乗効果で、ミスヒットに強くボールを強く弾き飛ばす』という、ミスヒットに対しての寛容性と飛距離の融合がこの『EZONE GT MAX』のポイントのようだ。今回の試打では、その部分を中心のチェックした。

ヨネックス『E-ZONE GT MAX ドライバー』の10.5度を試打
ロフトの展開は9度と10.5度で、今回は10.5度を試打。シャフトは『RK-04GT(FrexS・45.5
インチ・58グラム)』。使用ボールはいつもどおりタイトリスト『プロV1』。
癸生川プロの見た目の感想は「フェースはちょっと左を向いていて、つかまりそうな顔をしている。つかまると言っても自分的には嫌いな顔ではないです」。
試打は、事前に算出したこのクラブの適正クラブスピードと思われる45m/sで、センターヒット、トウヒット、ヒールヒットの順に球を打っていく。
では試打開始!
HS45m/s前後でセンターヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.0m/s
ボール初速●66.9m/s
打ち出し角●13.3度
スピン量●3018rpm
降下角●37.6度
キャリー●250.6Y
飛距離●275.6Y
打ち出し方向●1.5度右
スピンアクシス●5.2度左
SIDE●1.8Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●0ミリトウ
Vインパクト●4ミリ低
センターヒットの弾道を見た二人のインプレッションは?
癸生川: 凄い良いスピン量で飛ぶよね。球が吹けない。
小島: 4ミリ下に当たっているのでスピン量は3018rpmと決して少なくはないけど、これが真ん中で当たっていれば3000rpmを下回ると思います。弾道は、1.5度右に飛び出して5.2度左に傾く綺麗なドローボールです。
癸生川: いい弾道だよね。
小島: いわゆる大慣性モーメントのドライバーって、スピンが増えたり、ボールスピードが出なかったりという感じになりやすいけど、今の結果を見ると、クラブスピードに対するボールスピードの割合も適正に出ている。悪くないと思います。
冒頭に挙げたこのクラブの搭載テクノロジーとして、『シャフトとヘッドの相乗効果で、ミスヒットに強くボールを強く弾き飛ばす』というパフォーマンスを紹介したが、センターヒットでは、最後の小島プロのコメントからも、その特性の高さは証明されたようだ。では、オフセンターヒットした時にもそのパフォーマンスは発揮されるのかを検証していこう。
HS45m/sでトウヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.3m/s
ボール初速●64.2m/s
打ち出し角●13.8度
スピン量●2382rpm
降下角●34.4度
キャリー●233.6Y
飛距離●263.0Y
打ち出し方向●1.45度右
スピンアクシス●17.6度左
SIDE●5.1Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●29ミリトウV
インパクト●3ミリ低
トウ側に29ミリ外したショットの打感と弾道を見ての感想は?
癸生川: さすがに、打感は良くはないよね。弾道は思ったよりも右に出た。
小島: 29ミリトウに当っていますから、飛び出しはバーンと右に行く。でもギア効果でちゃんと戻ってきていますよね。
癸生川: そこはやはり「MAX」なんだね。
HS45m/sでヒールヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.0m/s
ボール初速●64.2m/s
打ち出し角●14.7度
スピン量●3034rpm
降下角●37.3度
キャリー●234.8Y
飛距離●258.8Y
打ち出し方向●2.3度左
スピンアクシス●7.1度右
SIDE●5.2Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●18ミリヒール
Vインパクト●0ミリ
ヒールに18ミリ外れたショットの打感や弾道の感想は?
癸生川: 思ったより曲がっていない。
小島: いま結構簡単にヒールヒットできましたよね? 大慣性モーメントのクラブって操作性は良くないと言われるけど、ヒールヒットを狙ってできるというか、ヘッドの位置を感じやすいんだと思います。
癸生川: 確かに。慣性モーメントが大きいヘッドにしては、投影面積がちょっと小ぶりに見えるので、それで振りやすさを感じるのかな。
小島プロによる、センターヒット、トウヒット、ヒールヒットのデータ分析

HS45m/s前後で寛容性テストしたときのトラックマン4データ
●ボールスピードは芯を外したなりのロスが出る
ボールスピードに関してはセンターに比べてトウもヒールも2m/sくらい落ちているので、そんなにミスを補ってくれないというイメージです。適正な落ち方だと思います。
●ボールスピードが落ちても『打ち出しの条件』は変わらない
芯を外すとボールスピードはある程度は落ちましたが、でも『打ち出しの高さ』と『スピン量』はトウとかヒールに外しても極端に増えていません。これはなかなか面白いかなと思いますね。だから『落下の角度』も芯を外れて打っても、そんなに上下にブレが出ていないです。
●飛距離は極端に落ちることはない
キャリーは、29ミリという大きなズレ方で当たっているトウが18ミリのヒールよりも極端に落ちるという感じはしない。トータルの飛距離も、29ミリトウで12ヤード、18ミリヒールに当たって17ヤード程度のロスは悪くないです。
●出球はブレても着弾点はセンターの近くにおさまる、コレは凄い!
なによりも方向性が良いというのはデータに出ています。出球や弾道の傾きはブレても着弾点はトウヒットで5.1ヤード右、ヒールヒットで5.2ヤード右ですから、フェアウェイの幅にいる。29ミリトウヒット、18ミリヒールヒットというかなりのオフセンターヒットでも、5ヤードしかセンターからズレない。これは凄いです。充分に方向も許容してくれるし、距離も極端に落ちていないというモデルと言えると思います。
■結論

試打を担当した癸生川喜弘(左)とデータ分析を担当した小島慶太(右)
試打をしたヨネックス『EZONE GT MAX』のクラブ特性に関して、どういう印象をもったのか、二人の結論を聞いてみよう。
癸生川: オールマイティなクラブだなという印象です。トウに当たってもヒールに当たってもそんなにセンターヒットと差が無くて、それで曲がってもセンターに寄ってきてくれるクラブという印象でした。
小島プロ: まず距離に関しては、ボールスピード、打ち出し角、スピン量のいわゆる“飛びの3要素”の全てで補完しあって、距離が落ちないようにしてくれている。そしてなにより、オフセンターヒットしても方向性が損なわれないという“MAX”を証明する結果が出たと思います。
今回の試打では、新カーボン素材2G-Namd™搭載のヘッドとシャフトの相乗効果で、ミスヒットに寛容性で、しかも飛距離も出るという『EZONE GT MAX』の実力をチェックした。その結果は、飛距離はまずまず、寛容性に関しては、芯を29ミリズレても着弾はセンターからわずか5ヤードしかズレていないという驚きのパフォーマンスを見せた。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、ヨネックス『EZONE GT MAX』のオフセンターヒットの検証以外に、最適スピード帯の割り出しなども行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
▶▶▶試打動画をチェック!