「リョーマ」、「ホンマ」が大波乱を起こすのか?
GD 今年もドライバーNO.1を決める「D-1グランプリ」の季節になりました。1997年から続く月刊ゴルフダイジェスト名物のドライバー試打企画です。各メーカーもこの結果を注目しており、数あるドライバー試打企画の中で最も信頼のおけるものだと言われています。今年の結果は6月20日発売の「月刊ゴルフダイジェスト8月号」で明らかになりますが、その前にベスト16からの勝ち上がり予想をお願いしたいと思います。
長谷部 今年も「ひとりD-1グランプリ」の季節がやってきました。去年はけっこう予想を的中させることができたんですが、今年の「D-1」予想は難しいですね。2025年は“ドライバー新モデルの当たり年”と言われるぐらい、「テーラーメイド」、「キャロウェイ」、そして「ピン」の3社が三つ巴の戦いをしている中に、昨年から売れ続けている「タイトリスト GTシリーズ」が加わる四つ巴の状況と理解しています。市場評価も非常に高い「GT」と新作がどういう戦いをするのか興味ありますね。
GD 予選を勝ち抜いてきた16本の中に「リョーマ」が入っていますけど、このドライバーはどんなクラブですか?
長谷部 「リョーマ」はメジャーブランドではないんですけど、かつてフルチタン全盛時からチタン素材にこだわっていました。「地クラブ」という言い方が正しいかどうかわかりませんが、コアな層、特にシニア層に対して試打会を通じて飛ぶという噂が流れ、一世を風靡したブランドになります。今回もフェースの反発、高初速にこだわっているモデルなので、ここがどう試打者とマッチングするか興味があります。
GD 「ピン」、「テーラーメイド」、「キャロウェイ」、「タイトリスト」の外ブラ勢がしっかりベスト16に入っていて、国内メーカー勢は「プロギア」、「ダンロップ」、「リョーマ」、「本間ゴルフ」の名前があります。国内vs外ブラと見るとどんな展開が予想できますか?
長谷部 「ダンロップ」と「プロギア」、「リョーマ」がフルチタンであるというところですよね。他のメーカーがカーボンクラウン(GTは新素材ポリマー)に徹しているところに、この3つのドライバーが細かい設計と製造ラインにこだわりを持つ日本メーカーならではのパフォーマンスをどこまで発揮するか、期待するところがあります。
GD 「タイトリスト」と「プロギア」は2年連続のエントリーですが、「連覇」の可能性はありそうですか?
長谷部 予選の順位を見ても「プロギア」が1位ということもあり、「GT」と「プロギア」は本当侮れないですよね。新作の3社のモデルが非常にいいとなったとしても飛ぶのは大体外ブラの場合は“LSモデル”が中心で、ロースピンで飛ばすことになる。そこに対して『GT2』とか、「プロギア」はそこまで低スピンではないので、試打者との相性がマッチすると連覇もあるのかなという気がしますね。
GD 今年で29回目、D-1グランプリの長い歴史の中で連覇はありませんでした。第1回、第2回で『ビゲスト・ビッグバーサ』が2年連続準優勝という記録がありますが、優勝ドライバーを含めても、2年連続上位という記録はあまり残っていません。
ドライバーの進化がめまぐるしかった頃は、1年前のクラブは性能的に落ちる感じでしたが、ルールで上限が設定され、フルサイズ、フルスペックになった現在は、以前のような進化のスピードをあまり感じなくなりました。その観点からも、今年は「連覇」の可能性があると?
長谷部 そうですね。ヒューマンテストというのが一番のポイントになります。人の気持ちもブランド名で動かすところがあるんじゃないかなと個人的に思っているんですよね。インドアではなくゴルフ場の自然環境の中で球を打つこともそうですし、ブランドの好き嫌いとか、合う合わないみたいな先入観が入ったりすると、そういったことが影響する可能性もあります。