総合バランスとコースマネジメントで見極める逸材の姿
(日本ウェルネス高校・中井賢人監督)

来週はツアー出場のため香港に行くという日本ウェルネス高ゴルフ部監督の中井賢人さん(左)、コーチの山本比嘉利さん。山本さんはティーチングプロだ
最近のジュニア中学生の実力と、強い子は何が違うのかを聞いた。
日本ウェルネス高校の監督、中井賢人さんはプロゴルファーだ。5年間コーチをしたあと、今年監督に就任した。自身も日本のQTはもちろん、予選会、そして中国ツアーにも出場、自分がプレーして得た情報を子どもたちにも伝えているという。
「今、ゴルフをしているジュニアの人口はすごく減っていますが、上位の子は本当に上手で、トップのレベルは上がっています。親御さんは一生懸命に指導していますし、弾道計測器などの進化もあると思います。もちろん、すそ野を広げるためには、ゴルフが安くなること。ゴルフ場さんや学校などの協力が必要だと思います」
上手いジュニアは、全体のバランスがいいという。
「スウィングから体まで、全体を見ますね。そして、たとえばこのコースの10番ホール(パー4・男子408ヤード/女子389ヤード)のティーショットはドライバーで打つ選手がいいですね」と不敵に笑っていた。

柳川高校のゴルフ部は通信制だけにあり、監督を務める坂田慎矩さん(左)、コーチの小西健太さん。監督は福岡にある学校では事務課長でもある
プロツアーからは一線を引き、現在クラブフィッティングやレッスンの仕事をしている小西健太さんは、新設されたばかりの柳川高校ゴルフ部(通信制)のコーチも務めている。
実は小西さん、日本ジュニアでは中学時代に1回、高校時代に2回の優勝経験がある。
「中学3年で初めて出ました。僕はめちゃくちゃ緊張しましたけどね(笑)。当時は全部、霞ヶ関CCで開催されていました」
輝かしい戦績を持つ小西さんが驚くほど今のジュニアのレベルは高いという。
「まず、準備がすごい。しっかりグリーン周りのチェックをして、メモに書いて、確認しながらプレーしています。僕らのときは、ただ回るという感じでしたよ。技術も高い。まず飛距離が出ます。僕の時代より、体感で20ヤードくらい、きちんと計測すると10ヤードくらい伸びているんじゃないでしょうか。270ヤード飛ばす選手がたくさんいる。僕らの頃は幡地(隆寛)さんくらいしかいませんでしたよ。体もみんな大きいですよね。180cm超えている選手もいました。単純に、ゴルフも体が大きな子がやり始めたのかもしれません。スウィングも奇麗で癖がない」
そのスウィング、どこを見るのだろうか?
「僕はクラブの動きを見ます。きれいな円弧が崩れてないかどうか。僕はアマチュアの方にも教えていますけど、皆さん圧倒的に力でねじふせようとするから円弧は崩れまくりです。子どものほうがそこはできている。クラブの使い方が本能でわかっているんです。伸びる子は、言うことは難しいですけど……。やっぱり自分でどう考えてどう取り組むか。それが一番です。僕らはそこを伸ばしていきたいと思っていますから」

中学男女は今年から千葉CC梅郷Cを舞台に戦っており、埼玉栄中は、男子2人、女子1人が出場。
伝統校で強豪校、多くのプロを輩出している埼玉栄中学・高等学校の植草一成さん。国語の先生でありながら、ゴルフ部の監督を7年間務めてきたが、この3月にいったん退き“肩書なし”となるも、ゴルフ部全体を見ていることに変わりはない。しかも、ティーチングプロの資格まで取ったという。
「20歳まではプロになりたかった。でも、今が一番楽しいですよ。広い視野でゴルフに関わっていきます」
最近は、早くから“出来上がっている”ジュニアも多いという。
「やっぱり練習の仕方や理論などが一般化してきていますよね。そういうものがすぐ横にあるという状況ですから」

学校には練習場があり、チームカラーのオレンジを着て試合にも出場
中学生は、身長も飛距離も考え方も急に伸びることがあるという。
「そのためには、きちんと種をまいてあげるのが条件。植木鉢に種をまかずに水だけあげても雑草しか生えません。種をまいて水をあげて雑草も取る、という作業をしていかないと芽は出ない。数字を見せたりしながらいろいろな話をディスカッションしていく。中学くらいからしっかりやっておくことが大切です」
どんな選手が伸びるのか?
「技術的にはグリップです。握り方がよくない生徒は伸びません。きちんとしたグリップにしないといい数字は出てこないんです。でも無理にではなく、本人が直したいと言ったら直します。メンタル的には“負けず嫌い”です。その気持ちがあるとやっぱり伸びます」
各人の、多くの選手を見てきた“目”は確かなのだ。
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