飛行機の窓から今の自分を見下ろしてみる
朝イチのホールで大叩きをしてまった、ハーフターン後の最初のゴールで大叩きをしてしまった……こんなときは、誰もが自分のプレーにがっかりして、「ついてないな~」「あんなに練習してきたのに……」「スクール変えようかな」とマイナスなつぶやきが口をつくもの。そして、以降のプレーに対しモチベーションを下げてしまう方も多いのではないでしょうか。
サポートしてきたプロゴルファーからも、同じような相談をよくされてきました。「試合を左右する大事なホールでボギーやダボを叩くと一気に気持ちが萎えてしまいます。切り替えたいけれど切り替えられずにズルズルといってしまう。そんなときどうすればいいのでしょうか?」と。
ひとつの方法が「今の状況を俯瞰して観る、高い視点から客観的に認知すること」です。これは心理学ではメタ認知と呼ばれますが、プロゴルファーにはこのメタ認知を使い、「大叩きをしてへこんでいる」という状況をより高い視点から認知してもらいます。
実際に大叩きをした場合、次のようなシミュレーションをしてもらいます。
「イメージしてください。飛行機の窓際の客席に乗っている自分がこの状況を見下ろしています。機上のあなたから見ると叩いた状況に対してどう感じますか?」
そうするとあるプロゴルファーは次のように答えました。
「そうですね……、まあ自分がダボだろうとパーだろうと世界には何も影響しないですね……(笑)。そう考えると悩みが小さく思えます。なんだか気持ちがラクになりますね!」
この例のように「大叩きをしてへこんでいる」という出来事を高い視点からメタ認知することで「大叩きをしたこともたいしたことではない」というように今の状況へのとらえ方を変えることでき、感情をラクにすることが可能なんです。
実は人は無意識にこのメタ認知をしていたりします。たとえば、なにか悩みごとがあったり、ストレスが溜まったと感じると、海や山にドライブに行きたくなる人も多いかと思います。そして、大海原や大草原を見ることで「自分が悩んでいたこともちっぽけだったな!」と気持ちが切り替わることがあります。これも実は無意識にメタ認知をしていたといえるでしょう。
ゴルフ中に想定外のミスが出たとしてもこのメタ認知を使い、気持ちをリセットして次のプレーを楽しんでもらえると幸いです。