プロテインは「たんぱく質」という意味だが、日本ではたんぱく質を補給するサプリメントとして認識されている。このプロテイン、ゴルファーにもメリットが多いのだ。さっそく専門家のとして、ボディビルダー世界大会で優勝経験を持ち、プロテインに詳しい山本義徳氏に解説してもらおう。
画像: 「プロテインにハマっていて、その効果を実感しています」というセキ・ユウティン。

「プロテインにハマっていて、その効果を実感しています」というセキ・ユウティン。

プロテインで良質なたんぱく質をしっかり取ることが大切

昨季ツアーで初優勝を飾ったセキ・ユウティン。オフの取材時にトレーニングの話を聞くと、

「私はフィジカルの強化が大きな課題。ですから筋トレは欠かせません。プロテインにもハマっていて、その効果を実感しています」

プロテインといえば、筋トレをする人が愛飲するものと思われがちだが、ボディビルダーの世界大会で優勝経験を持ち、プロテインに詳しい山本義徳氏によると、

「プロテインの語源はギリシャ語の『プロティウス』です。その意味は『一番大切なもの』となります。つまり、たんぱく質は人間にとって最も重要な栄養素なのです。ですが、現代人は圧倒的にたんぱく質不足です。なぜかというと食事だけでは十分な量を摂取できないからです。そこで注目されているのがサプリメントであるプロテイン(パウダー)なのです。

たんぱく質は筋肉の材料になると知っている人は多いですが、脳や内臓などもたんぱく質から作られています。実は筋肉は生命維持にとってそれほど重要ではなく、たんぱく質は脳や内臓などに優先的に使われてしまうのです。ですから筋肉に届くのは最後なのです。つまり、たんぱく質不足のままだと筋肉はどんどん減っていくのです。だからこそ、良質なたんぱく質をしっかり取ることが大切です。ゴルフもスポーツですから筋肉は必要です。元気にゴルフを楽しむためにも、プロテインを上手に活用してほしいですね」

接種するタイミングはプレー後が効果的

画像: プロテインは数百種類あるといわれる。選ぶポイントはたんぱく質の含有量70%以上が目安。また毎日摂取することを考えるとパウダーの溶けやすさや味のバリエーションも飽きずに続けられるポイントになる。また、摂取するタイミングは食間と就寝前が最適だ

プロテインは数百種類あるといわれる。選ぶポイントはたんぱく質の含有量70%以上が目安。また毎日摂取することを考えるとパウダーの溶けやすさや味のバリエーションも飽きずに続けられるポイントになる。また、摂取するタイミングは食間と就寝前が最適だ

トレーニングやサプリメントに精通する山本氏にプロテインの上手な活用法を教えてもらおう。

「まずは良質なプロテインを見つけることです。最近は“プロテインブーム”もあり、コンビニやドラッグストアで手軽に購入できるようになりました。ですが、プロテインと謳っていてもたんぱく質が少ないものは多いのです。その分、糖質など余分なカロリーが含まれているわけです。できれば、たんぱく質の含有量が70%以上あるものを選ぶといいです。そうすることで効率よくたんぱく質を摂取できます。また価格もポイント。高ければ高いほどいいというものではありません。1キロ4000円台くらいが望ましいでしょう」

山本氏が教えてくれた良質なプロテインは、ネットショップやトレーニングジムで購入できる。では、どのように摂取するのがいいのか? 

山本氏によると数回に分けて取るのがベストだという。

「食事やプロテインで摂取したたんぱく質は胃でアミノ酸に分解され、腸で吸収されます。そして血中アミノ酸濃度を上昇させます。この血中アミノ酸が筋肉の材料やエネルギーになります。つまり血中アミノ酸濃度を高く保つことが重要なのです。そのため食事と一緒に取るのではなく、昼食、夕食の間や就寝前に取るのが最適です。そうすることで血中アミノ酸濃度の低下が抑えられます。血中アミノ酸濃度は高いと筋肉が合成され、低いと分解されます。筋肉量を維持するには、十分なたんぱく質の量を保つことが重要です」

筋肉が減れば、ゴルフは楽しめないし、飛距離低下にもつながる。いかにタイミングよく、たんぱく質を取るかがカギなのだ。では、ゴルフのときはどうなのか?

画像: ゴルフは筋トレほど負荷が高くないため、プレー後にプロテインを摂取するのが最適だ。食事でたんぱく質を取るより吸収速度が速いため、筋肉痛が軽減できる。すぐに食事する場合はプロテインを取らなくていい

ゴルフは筋トレほど負荷が高くないため、プレー後にプロテインを摂取するのが最適だ。食事でたんぱく質を取るより吸収速度が速いため、筋肉痛が軽減できる。すぐに食事する場合はプロテインを取らなくていい

「高い負荷をかけたウェイトトレーニングは、筋肉の合成が活発に行われます。ですからトレーニングの前に飲むのが最適です。ただゴルフはそこまで強度がありませんからプレー前よりも後のほうが適しています。プレー後にプロテインを摂取すれば、筋肉の分解を抑えられますので、筋肉痛を和らげる効果も期待できます」

最後に筋肉量を増やす方法もアドバイスしてもらった。

「自重を使った筋トレとプロテインを組み合わせれば、十分に筋肉は発達させられます。筋トレ中はたんぱく質を欲するゴールデンタイム。そのタイミングに合わせてプロテインを取れば、効率よく筋肉を作り出せます。筋肉が増えれば、ケガ予防になりますし、より長くゴルフも楽しめるはずです」

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS /レバレッジ

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月6日号「ゴルファーのためのプロテイン講座」より

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