今シーズン、5月末のリゾートトラストレディスまでに飛距離計測が行われたのは11試合で、その計測で上位に入った8選手のドライバーとスペックを調査する本企画。パート2は今注目の2選手、岩井千怜と岩井明愛のドライバーだ。調査はリゾートトラストレディス練習日に行った。
画像: 岩井千怜、岩井明愛。プレースタイルの違いがドライバー選びにも表れていた

岩井千怜、岩井明愛。プレースタイルの違いがドライバー選びにも表れていた

岩井千怜、今季最長297ヤード
ヨネックスEZONE GT425×ヨネックス レクシス カイザ-L

昨シーズンの平均飛距離は246.6ヤードで、、姉の明愛に5ヤードほど負けていたが、今シーズン、ここまで姉を上回る飛距離を出している千怜。

画像: ヨネックスEZONE GT425×ヨネックス レクシス カイザ-L(5S)。ロフト9度、45.75インチ、302グラム、バランスはD1.5

ヨネックスEZONE GT425×ヨネックス レクシス カイザ-L(5S)。ロフト9度、45.75インチ、302グラム、バランスはD1.5

昨年から使う小ぶりヘッドはそのままに、シャフトを中調子のレクシス カイザ-Mから、先調子のレクシス カイザ-Lに変更したことが大きかったという。

ヨネックスのツアー担当者は、「操作性を第一に、自分で球筋をコントールするタイプなので、EZONE GTの小ぶりな425ccヘッドを選択しています。ここ数年、一貫して小さなヘッドを使っていますが、彼女の場合はヘッドが小さいほうがミート率が上がり、飛距離も安定するんです」

先調子シャフトに変更。リシャフトで飛距離が7ヤードアップ

画像: 岩井千怜(20)。今季最長297ヤード(フジサンケイレディス初日)。平均253.4ヤード(6位)。RKB×三井松島レディス、サントリーレディスオープン優勝

岩井千怜(20)。今季最長297ヤード(フジサンケイレディス初日)。平均253.4ヤード(6位)。RKB×三井松島レディス、サントリーレディスオープン優勝

「今のヘッドは昨シーズンからの継続ですが、今シーズンに入ってシャフトを先調子のレクシス カイザ-Lに変更したことで、強いドローボールを安定して打てるように変わりました。大きく飛距離がアップしたのは、このリシャフトによるものと思っています」

ヘッドのトウ側に鉛が貼り、ライ角を通常製品より2.5度ほどフラットにすることで、つかまり過ぎることを抑え、左への引っ掛けを防止。自身を持ってドローボールを打てていることが、飛距離に加えて安定した成績にもつながっているようだ。

岩井明愛、今季最長301ヤード。
ヨネックスEZONE GT450×ヨネックス レクシス カイザ-M

画像: ヨネックスEZONE GT450×ヨネックス レクシス カイザ-M(5S)。ロフト9度、45.5インチ、306グラム、バランスはC9.5。千怜よりも0.25インチ短く仕上げる

ヨネックスEZONE GT450×ヨネックス レクシス カイザ-M(5S)。ロフト9度、45.5インチ、306グラム、バランスはC9.5。千怜よりも0.25インチ短く仕上げる

昨秋の東海クラシックで行われたドラコンで、295Yを記録して穴井詩に続いて2位に入り、飛ばしのポテンシャルの高さを見せた岩井明愛。妹の千怜が小ぶりヘッドを愛用するのとは対照的に、操作性よりも寛容性を重視した、大きめのヘッドを使用している。

「完成された彼女のスウィングを邪魔しないクラブ作りを心がけました。直進性の高い450㏄ヘッドを選択し、アジャスタブルポジションをややフックにすることでオートマチックにストレートボールが出るようにしています」

オートマチックな大きめヘッド。シャフトもクセのない中調子

画像: 岩井明愛(20)。今季最長301ヤード(パナソニックレディース2日目)。平均250.8ヤード。バンテリンレディスでプロ初優勝

岩井明愛(20)。今季最長301ヤード(パナソニックレディース2日目)。平均250.8ヤード。バンテリンレディスでプロ初優勝

「ソール前方に鉛を貼っていますが、プロがクラブを握った際にクラブの重さを、ヘッドの前後が均一に感じ取れるよう調整したものです」(ヨネックス・ツアー担当者)。

シャフトは先端と手元の剛性を高めて、クセなく振りやすい中調子のレクシスカイザ-M。さらにバランスを軽くして、振り抜きやすさを重視。

昨シーズンからドライビングディスタンスやFWキープ率などスタッツ的には大きな変化はないが、安定して飛距離が出せることで、今年の爆発につながったのだろう。

千怜、明愛、まとめ

ヘッドサイズは、千怜が小ぶり、明愛は大型。シャフトは、千怜が先調子でやや長尺、明愛が中調子のノーマル。フェースアングルとライ角も、千怜がフラットなライ角で逃がし系、明愛はフック気味フェースアングルのつかまえ系。

妹の千怜は、ドローボールを軸に球筋を操作するタイプ、姉の明愛は、オートマチックなストレートボールで攻めるスタイル。プレースタイルの違いが、ドライバーのスペックにもそのまま表れていた。

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