PGAツアーとLIVゴルフの経営統合が発表された6月初旬に、いち早く自身のX(ツイッター)で「素晴らしい日になった」と発言したフィル・ミケルソン。さらに同月下旬には、「やっとここまで来たことを喜んでいる。あとはただプレーするだけだ」と前向きに語っていたが……
先日、そのミケルソンの態度が一変した。PGAツアーがLIVプレーヤ―のツアー復帰に対し「プロジェクトチームを作って検討する」としたことに反発して、「時間の無駄だ。LIVの誰ひとりとしてPGAツアーでプレーしたいとは思っていない。むしろLIVで戦う選手たちに対し、世論を操作する会社に数100万ドルを支払い、私たちを批判したことに対しての謝罪が必要となるだろう」と投稿。
LIVとの和解内容については、一部は米議会での公聴会で明らかになったが、詳細については未だ調整中。LIVの現CEOであるグレッグ・ノーマンが職を解かれるという噂も立っており、ミケルソンがリーダーになったつもりで引き締めにかかっているのかもしれないが、「ここであまり過激な発言をするのは得策ではないのでは?」という意見がSNS上で多く見受けられる。
実際、パトリック・リードはPGAツアーへの復帰に興味を示しているといわれ、LIVとの契約が今季で切れる選手もいる。新営利団体「New Co」スタート後のLIVについて、現CEOのノーマンは「来シーズンは開催予定」としてはいるが、新団体にノーマンの名前はないことから、かなり不透明な状況。
LIV勢のPGAツアー復帰への道筋を模索中といわれるが、仮にLIVの選手たちに世界ランクのポイントが与えられるようになれば、ミケルソンが発言したように、LIV残留を選ぶ選手だって出てくるはず。一方で、PGAツアーはタイガー・ウッズを理事に加え、体制を固めつつある。新団体の内容が定まらないなか、“釘を刺す”ことに、果たして意味はあるのだろうか。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号より