テーラーメイド「Qi10」シリーズのドライバーは、
「Qi10 MAX」、「Qi10」、「Qi10 LS」の3モデル。
「Qi10」シリーズは、慣性モーメントが1万=10Kを超える「Qi10 MAX」のほか、スタンダードモデルとなる「Qi10」、そして低スピンモデルの「Qi10 LS」がラインナップされている。各モデル、どんな特徴を備えていてどんな人に合うのか、アマチュアのフィッティング事例を見ながら、チェックしてみよう。
今回モデルとなってくれたのは、平均スコア82というKさん(47歳)。現在「ステルス2」を使っていて、平均飛距離はトータルで250Y前後。いまのドライバーに大きな不満はないといいつつも、最新ドライバーには興味津々。「テーラーメイド銀座」のフィッティングルームで、最適なモデル・スペックを探るべく、試打を行なった。
まずは「Qi10」からフィッティングスタート!
試打は、現在使っているクラブとスペックが近いモデルから打ち比べたいとのKさんの要望で、「ステルス2」の後継モデルに相当する「Qi10」からスタート。現在と同じロフト10.5度、シャフトも愛用中のフジクラ「ベンタス ブルー(5S)」で打った。
「Qi10」は、3モデルのなかの真ん中に位置するスタンダードモデル。「ステルス2」からカーボン素材の使用量を増やすことで大きな余剰重量を生み出し、重心をさらに最適化。これによって得た大きな慣性モーメントに加え、「60層カーボンツイストフェース」の効果もあり、高い寛容性と直進安定性を誇るモデルだ。「イナーシャジェネレーター」「貫通型スピードポケット」など、過去のモデルでも培われてきたテクノロジーも惜しみなく搭載した「全部乗せ」といえるドライバーで、かなり幅広いゴルファーにマッチしそうだ。
Kさんのショットは、1発目からトータル270Yを超えるビッグドライブとなり、本人も驚きの色を隠せない。
「顔も打感もすごくいいですし、安心して振れます。『ステルス2』よりも若干つかまりがいい気がしますね。寛容性が高いのが特徴と聞いていたので1発の飛びには正直それほど期待していませんでしたが、実際に打ったらかなり飛んでいて、すごくよさそう。このつかまりなら、『ステルス2』は手ごわかったという人でも十分打てそうです」(Kさん)
続けて数発打ってみたが、飛距離は安定して270Y前後を連発。弾道は高い直進性能を見せ、大きな曲がりはなくセンターを中心に左右狭い範囲にまとまった。
「Qi10」は確実に打ちやすくなっている。
低スピンモデルの「Qi10 LS」はどうか
そこで今度は「Qi10 LS」にヘッドをチェンジ。ロフトは10.5度で、シャフトは同じ「ベンタス ブルー(5S)」だ。
「Qi10 LS」はその名のとおりロースピンモデルで、「ステルス2 プラス」の後継に位置するハードヒッター向けモデル。よりシャープな顔つきで、ソール前方に弾道調整のスライディングウェイトを備えているのが特徴だ。
こちらは、トータル飛距離では「Qi10」にわずかに及ばなかったものの、弾道が若干低めでバックスピン量が少ない強い球。そして一貫して直進性の高いフェードボールが出ており、普段からフェードを持ち球にしているKさんとしてはそこに安心感があるという。
「『ステルス2 プラス』よりつかまりも球の上がりやすさもアップしているので、『ステルス2 プラス』では球がつかまらなかった僕でもすごくいい球が出ています。安定してフェードが出ていますが、球が滑るというネガティブさはなくて、コースでは安心して振れる感じがあります」(Kさん)
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最後はKさんが本命視する
大慣性モーメントの「Qi10 MAX」を試打!
最後に打ったのは「Qi10 MAX」。これは慣性モーメント「10K」の高い安定性が特徴で、トッププロも使っているという事前情報から、Kさんも「MAXを打つのをすごく楽しみにしていました!」という。
上下・左右合計で1万g・㎠を超えるという大慣性モーメントを有し、ヘッドの投影面積が大きく安心感のある顔が特徴。ヘッド形状も「Qi10」「Qi10 LS」が洋ナシ形だったのに対し、よりヒール側にボリュームがあってつかまりやすさを連想させる顔だ。
これをロフト10.5度、シャフトは「ベンタス ブルー(5S)」で試打した。
こちらはつかまりのいいドロー系の球で、打ち出し角が高くスピン量も多めでしっかり球が浮く高弾道。左右へのブレがほとんどない安定感に、Kさんも感心することしきり。
「すごくラクに球が上がりますし、大慣性モーメントヘッドなのに、右にすっぽ抜ける感じがないつかまり感があります。そしてミスヒットにはビックリするくらい強い! ヒールに当たっても距離がほとんど落ちないので、自分ではミスかどうかわかりにくいくらい。個人的にはもう少し打点と弾道が一致したほうが安心しますが、この寛容性やつかまり、球の高さは魅力的ですね! 」(Kさん)
直進安定性は「Qi10 MAX」、飛距離は「Qi10」、弾道は「Qi10 LS」が好感触。
つづいてシャフト選びへ
ひとまず3モデル打ち終えて、直進安定性では「Qi10 MAX」、トータル飛距離では「Qi10」、弾道の好みは「Qi10 LS」という特徴がはっきりと表れた。Kさんの印象としては、「Qi10」や「Qi10 LS」でも十分な直進安定性があるうえ、構えたときにイメージが出しやすかったことから、ここからは「Qi10」と「Qi10 LS」のシャフトを替えて試打してみることにした。
まずは「Qi10 LS」に三菱ケミカル「テンセイ PRO ブルー 1K」の50Sを装着。「ベンタス ブルー」の5Sと同じ50g台ではあるが少し軽めで、しなりも少しやわらかめなシャフトだ。ロフトは引き続き10.5度。
すると、「ベンタス ブルー」のときよりも弾道が少し高くなり、トータル距離は270Yに迫るところまで伸びた。
「すごくタイミングが取りやすくて、球も少し上がります。右へのフェード量も少し減って、球がより強くなった感じがします」(Kさん)
さらに「Qi10」に「テンセイ PRO ブルー 1K」の60S、さらに三菱ケミカルの「ディアマナ WB」50Sで試打。前者はドロー系で弾道が安定したものの打点のブレが大きくなり平均飛距離はやや減。後者は高弾道のフェードとなったがスピンが増えて飛距離は少し落ちるという結果だった。
「どれもそれぞれ特徴があって一長一短ですが、個人的には少し軽めのシャフトでシャープに振りたいし、安定してフェードが出るというのはすごく安心。その意味では『Qi10 LS』に『テンセイ PRO ブルー 1K』の50Sの組み合わせが、一番気に入りました。これは本当にコースで武器になる球です」(Kさん)
「ステルス2」ユーザーのKさんもびっくりする「Qi10」シリーズの飛びと安定性。多くのアマチュアにとっては直進安定性やミスへの寛容性が高い「MAX」がファーストチョイスとなりそうだが、少し抑えめの弾道が好みなら「Qi10」、より強い低スピン弾道やつかまりすぎないヘッドが好みなら「LS」と比較していくのがよさそうだ。さらにKさんのようにシャフトやスペック選びを工夫すれば、さらなる可能性を発揮するはずだ。
ぜひ実際に試打して、「最適な1本」を見つけよう!
テーラーメイド銀座
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