体と右腕が一体化する感覚で動かせれば、ショットの精度は上がる
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ツアーでも1、2を争う飛ばし屋と言われている幡地隆寛プロ、その幡地プロが今年ついに大ブレーク!3月のニュージーランドオープンで優勝し、5月の関西オープンでも優勝。このブレークの理由は飛ばしだけでなく、その他のショットの精度が上がったこと。週刊ゴルフダイジェスト7/23号に「幡地隆寛 優勝の原動力」という記事がありました。いったい幡地プロはどんなことを意識して、どんなふうに変わったのでしょうか? 気になった部分をちょこっとだけ試してみました。
この記事には幡地プロが変身した秘密がドライバー、アイアン、アプローチ、パッティングと、それぞれの項目別に解説されているのですが、そのなかでもアイアン編は、僕にも簡単に取り組めそうだったので試してみることにしました。
今シーズンの幡地プロはパーオン率も大きく向上していて、そのために取り組んだのが「右わきにモノを挟んでハーフショット」。右わき? よく雑誌とかでは両わきにモノを挟むか、左わきにモノを挟んでスウィングするドリルが紹介されている気がしますが、右わきだけに挟むというのはあまり見ないかも。なぜ右わきだけなのでしょうか?
記事によると幡地プロはプレッシャーがかかると利き腕の右手が出てくるクセがあるそうです。本能的にフェースの向きをスクエアに戻そうとするらしいのですが、ロフトが寝て距離も方向もバラついていたそうです。で、中島啓太プロが右わきにモノを挟んでいるのを見て自分でも試してみたら、右手が前に出るクセを封じ込めてくれたそうなんです。
このドリルで幡地プロがやりたいことというのが、右ひじを下に向けるということ。アイアンで重要なのはインパクト時のフェースの向きとロフト。これが安定しなければ、狙ったポイントに打てません。そのためには右腕の使い方が重要で、右わきを締めて、右ひじが少し曲がって下を向いていることが必要なんです。
体と右腕が一体化する感覚で動かせれば、ショットの精度が格段に上がるそうです。なるほど、そういう理由で右わきにモノを挟んで練習されているんですね。
実際にやってみると……
ってことで、僕もやってみることにしました。室内の練習場でやってみたのですが、そこではスウィング動画を自動で撮影してくれるので、まずは右わきになにも挟まずに、いつも通りに打って右ひじの向きを確認してみました。すると、やはりインパクトでは右ひじが少し外側の向いていて、右わきも少し開いていました。僕はどうしても右手で打ちに行ってしまうクセがあるので、こういう形になるのかもしれません。また、右わきが開いて右ひじが外を向いていると、ヘッドが少し外から入ってきてしまう感じがします。
今度は右ひじにモノを挟んでみました。幡地プロはスティックカバーを挟んでいるそうなので、僕も同じものを挟みました。これでいつものような感覚でスウィングしてしまうと、わきに挟んだカバーが落ちそうになりました。しっかりと右ひじを締めて、体との一体感を感じながら振ると、カバーが落ちることなくボールが打てました。しかし、最初はなかなか上手くボールに当たらず、引っかけたり、シャンク気味の当たりになりました。やはり普段から手打ちなので、右わきを締めてしまうと上手く打てないようです。5~6球打って、やっと当たるようになってきました。
ハーフスウィングでボールを打つのですが、テークバックでは右わきを締める動きがやりやすく、切り返しから手で打つ感じになってしまうと、どうしても右ひじは外を向くし、右わきも開きます。切り返しからしっかりと体との一体感を感じてフィニッシュまで振り切ることが大事ですね。ハーフショットですから、フィニッシュでもグリップは肩の高さくらいなのですが、このときにしっかりと胸が回っていないといけません。
テークバックから切り返し、インパクト、そしてフィニッシュまで体と右腕が一体化する感覚を保てると、右ひじは常に下を向いたままで、右わきも開かずにボールを打つことができます。これができてくると、自分の打ち出したい方向に打ち出しやすくなり、ラインが出てくれる感覚があります。この練習はたしかに、アイアンの精度を上げるのにかなり役立ちそうだと感じました。
幡地プロはこの練習を取り入れてから、アイアンの精度が上がったそうで、いまではラウンドスタート前とラウンド後の必須メニューとなっているそうです。僕たちアマチュアも、練習の時やラウンド前に取り入れるととてもいいんじゃないかと思います。
この記事には、今回試したアイアンショットのことだけでなく、他のショットの打ち方や練習方法がたくさん載っていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください!