見た目と飛距離にこだわった飛び系ツアーアイアンを謳うピン『i530 アイアン』を今回は紹介します。クラブ設計家の松尾好員氏によれば、前作の『i525 アイアン』から継続して採用されている中空構造に加え、「前作よりもさらに飛距離性能が進化した」とのこと。2019年、渋野日向子の全英女子オープン優勝をきっかけにアイアン市場でも注目されるようになったピンのアイアン進化を見てみましょう。

米国モデルらしいバウンスと抜け感!

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S. PRO 950GH neo」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

米国モデルらしくバウンス角が大きい設定になっている。またネック軸回り慣性モーメントが抑えられていることで操作性もいい

クラブ長さが37.06インチ、クラブ重量は408.9グラムと共に標準的ですが、スウィングウェイトがC9.8と「やや小さい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが266万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状はマッスルバックのような風貌でありながら、中空構造で設計されています。フェースの長さは長過ぎず、プロモデル風の「スマートな雰囲気」が出ており、素直に構えやすいです。そして前モデルの『i525』よりもかなりフェースの高さが低くなっています。

左が前作、右が今作。今作はさらにスタイリッシュになり、ツアーモデルのような精悍な顔になっている

実際に試打したところ、ヘッドは他の「iシリーズ」と同様に、オーソドックスなフォルムとややストレートなネック形状でスクエアに構えやすく、リーディングエッジとトップブレードに丸みがあり、見た目以上にやさしさも感じました。

シャープな顔とストロング設計が相まって、アドレスでは5番アイアンのような雰囲気も感じました。試打シャフトは軽量ながらも適度なしっかり感があり、鋭くダウンブローで打ち込んでも負けないハリがあります。ヘッドスピードが43~44m/sくらいのゴルファーも十分に扱えそうです。

フェース面は前モデルに続いて、非常に硬い“マレージング鋼C300“が使われており打感は「しっかりめ」、球の弾き感が良かったです。

フェース面のスイートスポットの高さが「非常に高く」、ソールのバウンス角が7.7度と「大きい」設定にされていることを踏まえると、ターフを取るようなダウンブローで打つとフェースの芯を食いやすく、ソールの抜け感を味わえるアイアンになっています。

ヘッドのネック軸回りモーメントが前モデルの『i525』の5841g・㎠に対して、5690g・㎠と小さくなったおかげで、ヘッドの操作性が良くインテンショナルに弾道を操作することができます。

他のゴルファーにも打ってもらいましたが、多くの人がフェアウェイのあるがままの状態や芝の薄いライからでは球は上がりにくく、「セットを組むなら8番からでもいいね」と言う声が多かったです。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月30日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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