米女子ツアーに参戦初年は、アリゾナから車でカリフォルニアに移動中、砂漠で車がガス欠になりかけたり、離陸直前の飛行機で体調不良となり、降ろされて立往生したりとトラブルは山のようにあったという。
欧州にも活動を広げたことでますますハードな生活になりそうだが……。
「欧州女子ツアーといってもヨーロッパだけで試合をしているわけじゃなくて、インドやアフリカなどでも開催されています。いろいろなところに行けて、すごく楽しいですよ」
米女子ツアーと欧州女子ツアーの違いを聞くと、「米女子下部のエプソンツアーもですけど、自分でバッグを担ぐことがけっこうあります。久しぶりに自分で担いだときは(日本女子ツアー下部の)ステップの頃を思い出しました。あれで鍛えられていたので平気です(笑)」。
上原は現在40歳だが、「米女子ツアーって、選手が本当に若くなっている。欧州ではけっこうベテランが頑張っているんですよ。米女子でプレーしていて、その後、ヨーロッパに戻ってプレーしていたり。彼女たちはベテランでも飛ばしますね。たとえば、ジュリ・インクスターさんがプレーしていたりしますけど、飛距離では引けを取らないんですから驚きです。ジュリさんは64歳でしたっけ。私も一緒に回りましたが“戦えない”って感じじゃないんですよ。やっぱり、ある程度の飛距離があると長く戦えるのかなと思いましたね。欧州は米女子に比べて短めというのもあります。飛距離より正確性が求められる。だから、私にも勝利のチャンスはめちゃめちゃあると思っています」。
日本の女子では黄金世代やプラチナ世代、ミレニアム世代などが活躍しているが、いくつになっても好奇心、チャレンジ精神旺盛な上原彩子。
彼女のタフさにこれからも注目だ。
取材・写真/南しずか