信楽CC田代Cは1973年、信和グループ第1号として開場。昨年、開場50周年を迎えることからクラブハウスやコースを全面改修することを決定し、半年間のクローズを経て、このほどリニューアルオープンした。
原設計は大阪GCの改修や白浜GC、法隆寺CCなどの設計を手掛けた松山圭司。
そして今回、改修の指揮を執ったのは米国の設計家リー・シュミット。日本ではあまり知られていないが、ピート・ダイのもとで学び、ニクラス・デザイン社に移籍したのち首席デザイナーとして活躍した職人肌。現在は独立して世界中に150以上のコースを大地に刻んでいる。
今回改修の主要テーマは、松山がデザインした2グリーンから1グリーンへの変更だ。ピン位置からの逆算で、戦略ルートを探すゲームの面白さを追求するとすれば1グリーンがふさわしい。
造成内容を簡単に記す。ティーイングエリアはそのまま使用し、グリーンは2グリーンのうち1つを使用(ただし18番のみ新規)。バンカーはすべてゼロから造成・配置したという。
バンカーの数は18ホールで70個くらいが平均といわれるが、造成により114個に。
「数が増えたからといって、難しいコースになったわけではありません。バンカーにはメモラビリティ(記憶度)や景観の美しさなど、さまざまな目的があり、戦略性にだけ特化したわけではないのです」とシュミット。
その戦略性にはリスク&リワードも用意されている。例えば、フェアウェイバンカー周辺では、次打でグリーンを狙うときにはバンカー越えのショットは要求されない。逆の場合、ティーショットは楽だが、次打ではバンカー越えが待ち構える。
この法則は18ホール貫かれている。18ホールすべてが同じようなロケーションではなく、記憶に残る。
一度ラウンドしても損はないコースに仕上がったといえそうだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月10日号「バック9」より
※2024年8月30日10時33分、一部加筆修正しました