はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。
今週の「エリートグリップチャレンジ」から熾烈な賞金争いが見られる!
ABEMAツアーも今大会を含め残り3戦。この時期になると気になるのは来年のレギュラーツアーの出場権をかけた賞金争い。ABEMAツアーの賞金王には来年のレギュラーツアーのフルシード権が、上位20位までの選手には来年のリランキングまでのレギュラーツアー出場優先権が付与される。ただし、20位の中にレギュラーツアーのシード権獲得者がいる場合、その権利は繰り下がることになっている。いまのところ、大岩龍一選手が36位(ABEMAツアー8位)、坂本雄介選手が49位(ABEMAツアー12位)、原敏之(さとし)選手が63位(ABEMAツアー7位)でレギュラーツアーでシード権圏内。最近、調子を上げている下家秀琉(すぐる)選手が66位(ABEMAツアー5位)、吉本翔雄(しょうた)選手が72位(ABEMAツアー18位)なので、このままだと23位まで繰り下がる可能性がある。
ちなみに、昨年は鈴木晃祐、平本世中、杉原大河、金子駆大の4人がレギュラーツアーのシード権を獲得し、レギュラーツアーの前半戦出場権は24位の阿部裕樹選手まで繰り下がった。なお、阿部選手の獲得賞金は183万6741円で、25位の薗田峻輔選手が183万6150円なので、わずか591円差の熾烈な争いになった。
複数人がレギュラーツアーのシード権を獲得するのが濃厚とはいえ、現在の順位で考えると20位がL・J・ゴー選手(172万251円)、21位が数回前に紹介した古川龍之介選手(165万9982円)。昨年の20位である原敏之選手が207万5165円だったので、少なくとも200万円、安全圏である250万円前後をこの試合で突破したいと考える選手は多いはずだ。
笑顔がキュートな逆輸入プロ! 山脇健斗(ABEMAツアー賞金ランク19位)
まず紹介するのは山脇健斗選手。カリフォルニア州サンディエゴの出身で、小さいころから、米LPGAツアーではアリヤとモリヤのジュタヌガーン姉妹、イ・ジョンウン6などのメジャー優勝者やPGAツアーではイ・キョンフンを指導するクリス・メイソンに師事。2021年には「全米アマ」にも出場した実績を持つ。
174cm、68kgという細身ながら、2023年の石川遼everyone PROJECTではドライビングディスタンス賞(12番ホールで実施。初日278Y、2日目295Y、そして最終日は322Yのビッグドライブを披露!)を獲得。しかしながら、本人に聞くと「自分が飛距離が出るほうだとは思っていない」とのこと。
現在は千葉県の祖父母の家を拠点にしており、今年はレギュラーツアーとABEMAツアーの両方に出場中。本人曰く「今年のはじめに体調を崩し、8キロも体重が落ちてしまった。ABEMAツアーの第3戦である『JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI』までに6キロ戻すことができ、体重が戻ってからは『LANDIC CHALLENGE 11』で4位、『南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント』で2位と悪くないです」。体調が戻った理由を「睡眠」といい、スマートウォッチで毎日の睡眠の質と量を計測しているというこだわりも。レギュラーツアー上位で活躍できるポテンシャルがあり、もちろんこの試合での優勝も! まずはABEMAツアー賞金上位に入り、来年のレギュラー出場権獲得を!
初日は8時15分に10番Hからスタート。金田直之プロ、高野碧輝プロ、アマチュアの上村大和選手とのラウンドだ。
南秋田でアルバトロスを達成した鳥海颯汰(ABEMAツアー賞金ランク28位)
レギュラーツアーで賞金ランクトップをひた走る平田憲聖やDPワールドツアーで活躍する中島啓太と同じ2000年生まれの鳥海颯汰選手。北海道出身で小学生時代から道内で多くの大会に優勝。高校はゴルフ部のない地元の公立高校だったが個人活動で『北海道ジュニア』や『北海道高校選手権』などを制す。高校卒業後、桂GCの研修生になり、いまも拠点は北海道で、所属は同俱楽部という孝行息子。
自身初のプロツアーは推薦で出場した地元・北海道開催の23年『ANAオープン』。ジュニアの大会で何度も勝ったことがある札幌GC輪厚Cで初日68をマークして7位発進。最終的には1オーバーの58位だったが、初ツアーで予選をしっかり通過は見事!
ツアーに本格的に参戦したのは今年がはじめてとはいえ、ABEMAツアー賞金ランク28位と来年のレギュラーツアー参戦を狙える位置につける。鳥海選手に注目したのは、ABEMAツアー第7戦の『南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント』でアルバトロスを達成したから。もちろん自身初。初日の最終ホール18番。5番ウッドで打ったセカンドが、ギャラリーの「入った! ナイスイーグル!」という声でカップインしたことを把握。ギャラリーもまさかアルバトロスと思わないような素晴らしいショットだった。入ってすぐに「あれ? ここパー5だよな、ってことはアルバトロスじゃん!」と思ったらしいが、「ギャラリーの方にそれをアピールするのも違うかなって」というシャイな一面も。
ドライバーは飛距離よりもフェアウェイキープに重点を置くタイプ。またこのアルバトロスをきっかけにウッドの調子が良くなったという。現在賞金ランク28位。あと3試合での活躍に期待!
初日は8時04分に10番Hからスタート。加藤龍太郎プロ、L・J・ゴープロ、副田裕斗プロとのラウンド。
手嶋多一の大学後輩! 呉司聡(ABEMAツアー賞金ランク35位)
最後に紹介するのは、呉司聡選手。1998年生まれで金谷拓実選手や、女子プロの“黄金世代”と同級生。9歳から競技ゴルフを始め、高校1年生で『関東高校選手権』に勝ち、9月に単身渡米。手嶋多一プロと同じイーストテネシー州立大学に進学。大学時代はNCAAで個人優勝3回。2020年に『全米アマ』に出場し、21年にはオールアメリカンに選ばれている。
イーストテネシー大といえば、JGTOではお馴染みの手嶋多一プロの母校。手嶋プロとの交流を聞くと、「手嶋プロとはそこまで交流はないのですが、母校・イーストテネシー大のヘッドコーチは手嶋プロがいたときからずっと変わらない名物コーチでした。おしゃべり好きで、同じ話を3時間ずっとしてるような人です(笑)。いまは辞めてしまっていて、僕が最後の世代なんです」とのこと。
2024年開幕前、オフの調整でパッティングに自信が出たといい、ABEMAツアー開幕戦から4戦で、初日が1位タイ、2位タイ、1位タイ、6位タイと素晴らしいスタートダッシュをきった。2日目から崩れてしまう悪い癖を直せれば、いつ優勝してもおかしくない選手! ABEMAツアー後半戦に入り調子を崩しており、第9戦の『PGM Challenge 2024』では右手首の故障で初日終了後棄権。2週間の安静が必要となった。怪我が癒えて、仕切り直しとなった今大会。賞金ランクは35位だが、獲得賞金は121万6338円とトップ20位との差はわずか。前半戦の初日トップタイのまま優勝してほしい!
初日は8時48分に10番Hからスタート。金子敬一プロ、森山友貴プロ、遠藤健太プロとのラウンドです。