まずは氏の趣味・嗜好を探ってみよう。政界屈指のアイドル通で、キャンディーズの熱烈なファンであった。スーちゃん(田中好子さん)が11年に死去した折、「同時代を生きた私たちの青春そのもの。大事な友達を亡くしたような思いだ」とコメント。
漫画やアニメにも非常に詳しく、『銀河鉄道999』の松本零士氏とは個人的にも親しかった。『宇宙戦艦ヤマト』は劇場版を見に連日映画館に通い詰めた。軍事愛好家としても有名で、戦車や戦闘機、軍艦のミリタリー系プラモデルの収集家。SL好きの鉄道マニアでもあった。
このように石破氏は多彩な趣味を持つのだが、ゴルフという文字はネットで検索しても出てこない。しかし、慶應義塾大学ゴルフ部のOB会を通じて判明したのが、石破氏が通っていた慶應義塾高等学校でゴルフ部員だったという情報である。
そして同校のゴルフ部だった人にたどり着いた。79年卒業、石破氏と同期の田中廣氏だ。
「確かに石破はゴルフ部にいました。部員は10名。たいていはそのまま大学のゴルフ部へ入部するのですが、その年は10名のなかの3名しかいかなかったですね。その3名は私も含め、プライベートで接する機会も多かったのですが、石破の記憶は希薄です。腕前は100を切るところまではいかなかったと思いますが、はっきりとは覚えていないですね」(田中氏)
10名の人数で3年間一緒だったのに記憶が薄いというのは、やはり石破氏が漫画やプラモデル好きの物静かな青年だったのではと想像してしまう。
ただその痕跡は、石破氏の故郷にある鳥取CC吉岡温泉Cにあった。同CCの民事再生(06年)前は、石破氏が会員であったという事実だ。
民事再生によって経営が変わってからは会員としての名前が消えたという。
新首相が再び、クラブを握ることはあるのだろうか。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月22日号「バック9」より