高すぎる総合力は最大効率の計算結果だった!
22、23日と怒涛の練習を見せ、昨日の初日を6アンダーの2位タイで終えたマックス・グレイサーマン。技術力がありオールラウンダーの彼が気になって仕方がなかったので2日目も18ホール帯同することに。ですが、今日はラウンドの詳細ではなく、彼の練習にフォーカスしたレポートをお届けしようと思います。
まずはスタート前の練習から。昨日はドライビングレンジでの調整後ティーイングエリアへ直行だったので、今日は練習グリーンでグレイサーマンを探すことに。
2日目のスタート時間は9時51分だったので、8時30分頃から待機。パターが最大の強みと話していたので、パッティングの練習に時間をかけているのかと思い早めにスタンバイしていたもののなかなか現れず、やっと姿を見せたのは9時ちょうど。"練習の鬼"マックス・グレイサーマンですが、朝のアップは超軽め。
ミラー加工の練習器具をつかってショートパットから練習を始めましたが、足で傾斜を確認したあと同じ場所に水平器を置いて、自分の感覚と実際の数値を合わせる様子が何度も見られました。彼のパッティングは「ふみふみ水平器」がベースにあることが判明。

足の感覚と実際の傾斜具合とをすり合わせている
15分パッティング練習をしてからアプローチ練習場へ。打った数を数えるとわずか18球で所要時間は8分。ドライビングレンジへ移動すると昨日と同様、『GCクワッドMAX』を設置しての練習。ウェッジで何球か打ったあと、ベルトループにアライメントスティックを挿し、足元に置いたスティックと合わせて体の向きを修正していました。その後ドライバーとミニドライバーを打ったあと再びウェッジショット。

朝の練習では『GCクワッドMAX』で飛距離を確認
惜しくもシャッターチャンスを逃してしまいましたが、ウェッジで地面を掘る気になる動作が。「芝をあんまり打ちたくなくて。突っかかったりすると手首に圧がかかるから、そうならないように掘ってほぐしているよ。地面を打ったときの衝撃が和らぐんだ」とのこと。なるほど、昨日彼に対して感じた“総合力”には体に対するケアもあってのものでした。
さらに、朝の練習では『GCクワッドMAX』のみでしたが、ラウンド後の練習では『トラックマン4』も置いた2台体制で調整。トラックマンマスターでもあるぼくとしては2台使う理由が気になったので、どう使い分けているのか尋ねると「『GCクワッドMAX』では、飛距離コントロールを正確にするため、主にどれくらいボールが飛んでいるかを見ています。130ヤードだったら130ヤードきちんと打てているのかを見ている感じ。『トラックマン4』はドリル練習のときに使ったり、ショットが何かおかしいと感じたときはクラブデータを見てコーチと修正したりします。スウィングディレクション、アタックアングル、クラブパスを気にして見ているよ」。

ラウンド後の練習では『GCクワッドMAX』と『トラックマン4』の2台体制(撮影/有原裕行)
パッティングでは「ふみふみ水平器」、ショットは『GCクワッドMAX』と『トラックマン4』。各分野ごとに一つの軸をもって練習していることが分かりました。
2日目のラウンドは、2アンダーのトータル8アンダー、トップと4打差の7位タイでフィニッシュ。後半、4番のパー4で池ポチャしてボギー、5番のパー3でダブルボギーと流れが悪くなったものの6番パー5のバーディでその流れを断ち切ることに成功。「昨日のようにはうまくいかなかったけど、まあOK。ボールを1つ池に入れたし、パー3ではライが悪くて、1つ2つショットが良かったら3か4アンダーになっていたと思うけど、今のポジションなら全然大丈夫」。

4番のパー4でティーショットを池に入れてしまいボギー
崩してしまったときのコツを教えてもらうと「一瞬瞑想して集中したり、呼吸を深くしたり、ギャラリーとゴルフ以外の会話をして気分転換したり」と、メンタルのコントロール方法も習得済。
昨日、彼のプレーを初めてみて感じた総合力の高さは、単なる偶然で生み出されたものではなく、すべて計算されていたもの。しかも最短効率で。これがマックス・グレイサーマンの本当の強みなのではと感じた2日目の密着でした。ちなみに彼を追っていたメディアは、昨日に引き続き今日もぼくたちだけでした。

マックス・グレイサーマンに是非注目を!(撮影/有原裕行)
4日間競技のゴルフは、みんなどこかで“うまくいかない日”を迎えるものですが、彼にとっての“その日”は今日だったんじゃないかと思います。そこを2アンダーで乗り切れたことは大きいですし、週末の彼の大爆発にも要注目です!