
左から『Tシリーズ ブラックアイアン』の『T100』『T150 』『T200』『T350』
PGAツアーにおいて、過去21シーズンのうち20シーズン、そのうち過去11シーズンを連続で使用率No.1を獲得しているタイトリストのアイアン。前作の『Tシリーズ ブラック アイアン』のラインナップは、『T100』『T100・S』『T200』の3モデルだったが、今作からもっとも飛距離性能と寛容性の高い『T350』も加わり、『Tシリーズ』のすべてのモデル(『T100』『T150』『T200』『T350』)を網羅したことになる。
また、前作との違いは仕上げにあり、名称は「チタンカーバイドベイパー仕上げ」で変わらないが、より耐久性の高い新たな仕上げで、それにより前作よりもさらに錆びづらくなっているという。タイトリスト ブランドアンバサダーで5Iに『T150』、6I~9Iに『T100』の黒塗りモデルを使用しているキャメロン・スミスは「『AP2』が発売された頃からブラックフィニッシュを使っています。どれくらい前だったかはもう覚えていないけど。見た目からして、トップのフィニッシュラインが引き締まっているように見えます。また、ヘッドが少し小さく見えるので、より集中しないといけないような気がするのです」と話す。
以前、週刊ゴルフダイジェストの取材には「初めてブラックのニューT100を目にした時は、ルックスがあまりに良くて傷つけるのがもったいないと思ったほど。クラブ全体が引き締まって見えて、自分の目にしっくりきます。(瞳の色が青いので)反射のまぶしさが軽減される点も気に入っています」と答えている。

24年の全英オープンでも黒いアイアンを駆使するキャメロン・スミス(撮影/姉崎正)
30年にわたりゴルフダイジェストで試打を担当してきた堀越良和プロによると、「ブラック仕上げは、いわゆる一般的なアイアンに比べて、芝生の上では輪郭がはっきり見えます。また、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティは黒ヘッドが多いので、同じ流れで構えられるというメリットがあると思います。
そして、キャメロン・スミスが話しているように全体が引き締まって見えるので、『T200』や『T350』という少し大きめなヘッドは小ぶりに見えて構えやすく感じるはずです。今回『T350』にブラック アイアンが登場したのはそういった要望があったからではないでしょうか」と話す。
なお、クラブ全体を黒で統一するために、シャフトは『T100』がN.S.プロ モーダス3 Tour 115 Black、『T150』がN.S.プロ モーダス3 Tour 105 Black、『T200』と『T350』がN.S.プロ 105T Blackのみ。もちろんグリップもゴルフプライドのTour Velvet 360 Flat Cap Black Outで黒。
価格は4モデルとも5I~PWまでの6本セットで25万800円(税込)とノーマルモデル(税込:16万5000円~)よりも割高だが、世界限定品なだけに、人と違ったクラブでゴルフを楽しみたい人にはチャンスだろう。なお、全モデル右用のみなので、注意してほしい。