2月11日号の週刊ゴルフダイジェストはシニアプロで“ワザ師”の奥田靖己と、ティーチングプロで“ドラコン王子”の松本一誠のスウィング理論について掲載中。まったく別のスウィング理論かと思いきや共通点がたくさんあり、なかでも「魔法の間」があるという。みんなのゴルフダイジェストでは、内容から一部抜粋してお届けする。
画像1: シャフトの柄が見えるくらいトップの『間』がある!? シニアプロ・奥田靖己のHSを43→49m/sに引き上げた、ドラコンプロ・松本一誠の“タイミング重視”スウィングとは?

奥田靖己
「クラブを感じる、探す時間です」

おくだせいき・1960年大阪府出身。18歳でゴルフを始め甲南大学を卒業後85年プロ入り。93年の日本オープンを含むツアー通算6勝。シニアでも1勝。本誌『ゴルフはつづくよどこまでも』も好評連載中。

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松本一誠(ドラコンプロ)
「クラブをいかに効率的に使うか」

まつもといっせい・1992年神奈川県出身。小5でゴルフを始め杉並学院高卒業後、研修生を経てレッスンプロに。23歳でドラコン競技に出合い、すぐに頭角を現す。“飛ばし”の極意をプロ、アマに教えてもいる。

力で飛ばさない、タイミング重視のスウィング

奥田 昨年、横シン(横田真一)のYouTubeをチラッと見とったら、一誠くんが出ていて、この小さい体(171cm、67kg)で簡単に400ヤード飛ばすと言う。確かにこの人は力で飛ばしてない、ほかのドラコン選手と違うな、と興味を持って知人に会わしてもらったんです。

画像: JPDAのプロとして多くの試合で優勝。世界大会にも出場。自己最長429ヤード

JPDAのプロとして多くの試合で優勝。世界大会にも出場。自己最長429ヤード

松本 僕がジムのマシンで走っているときに電話がかかってきて「オクダです」と。おくださん? 誰だろう、聞いたことある声だなと思っていたら「奥田靖己です」と言うので、すぐに外に出て(笑)。

奥田 11月にシニアの試合の練習ラウンドの日、練習場で見てもらいました。まず、タイプを調べるテスト。最初に軽いヘッドで一球打ったら「わかりました」と。

松本 98%くらいの人はヘッドが軽いクラブを渡すとHS(ヘッドスピード)が速くなるんですが、奥田プロは本当に珍しいタイプで。

奥田 HSが3(m/s)くらい落ちたもんね。

松本 はい。それで、奥田プロは重たいヘッドでシャフトを少し軟らかめにして、ヘッドをブーンと利かせて上手く使うタイプのスウィングだとわかりました。

奥田 昔からD9くらいのバランスのクラブでやってたからね。

松本 「飛ばし」を教えるときに、自分に合うクラブをタイプ別に分類できているということ、そこが一番大事です。そしてその後に、クラブの使い方を伝えたら、一発で伝えた通りにやっていただけて。計測器でHSを測ったら……。

奥田 43m/sが49m/sまで上がった。そのときにやったことはタイミングだけ。トップで待って、待って、待って、ブンと振る。この「間」ですわ。

「一誠くんのトップは、シャフトの柄が見えるくらい『間』がありますわ」(奥田)

画像3: シャフトの柄が見えるくらいトップの『間』がある!? シニアプロ・奥田靖己のHSを43→49m/sに引き上げた、ドラコンプロ・松本一誠の“タイミング重視”スウィングとは?

「最初に一誠くんの動画を見たとき、トップの『間』で飛ばしていると思った。力ももちろん要るんやろうけど、それよりもタイミング重視で彼は日本一になったんやろうなと。それが僕が惹かれたポイントですわ」(奥田)

松本 実は、上で待ってと言われて待てる人はプロでもアマでもほとんどいません。それもただ待つのと、「間」を持たせて待つのとでは違う。普段の僕のレッスンでも、この人はこのくらいの「間」だなというタイミング的なことがわかるので、「奥田プロ、もうちょっと。そこから一気です」という感じでアドバイスさせてもらいました。

奥田 そもそも、トップの「間」いうんは、ヘッドを感じるという、うちの流儀(橘田規、高松志門の流れ)では、なくてはならんもの。それが飛ばしにも共通することに興味を持ったわけです。今のような飛ばしのテクニックは、どうやって身に付いたの。

松本 僕の体形は日本人男性の平均くらい。世界大会に行くと、190cmや2m超えの人たちと戦わなければいけない。自分の強みは、クラブをいかに効率的に使うかと、リズム、タイミングという部分を突き詰めること。まずは知識を膨大に集めようと、国内外のプロの動画を見て勉強しました。

奥田 参考にした人は?

画像: 左:トニー・フィナウ/右:ジョン・ラーム。どちらも大柄でテークバックが小さく300Y以上飛ばしている(撮影/BlueSkyPhotos)

左:トニー・フィナウ/右:ジョン・ラーム。どちらも大柄でテークバックが小さく300Y以上飛ばしている(撮影/BlueSkyPhotos)

松本  最初は、テークバックが小さくて効率的に飛ばしている、T・フィナウ(193cm)やJ・ラーム(188cm)です。真っすぐ遠くに飛ばすことが僕の目標ですけど、ラームくらいデカくて、小さなバックスウィングで打ってて300ヤードというのが最強。でも、ドラコン競技で、僕の体格で今からやるには無理。それでマキロイです。彼は175cmですけど、余計なことをせずに、ピッと上げたものをリズムよく「受け止めて」、クルッと回っておしまい。それを見て、シンプルイズベストだなと思ったんです。

奥田 その通りやね。

TEXT/Masaaki Furuya
PHOTO/Yasuo Masuda

※週刊ゴルフダイジェスト2月11日号「ゴルフの大事 トップの『間』」より一部抜粋

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奥田靖己が注目した「タイミング重視」の効率的な飛ばし方。続く後編では飛ばすために必要なグリッププレッシャーや切り返しのタイミングなどを松本一誠が具体的に解説。続きは週刊ゴルフダイジェスト2月11日号、またはMyゴルフダイジェストにて掲載中!

コンパクトなトップで飛ばす2人

松本一誠が参考にした「ロリ―・マキロイ」のスウィング

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