
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●56.0度 体積●460cc 価格(税込)●9万9000円 ※メーカー公表値
「つかまり感」がアップしたQi35 ドライバー
GD 今回はテーラーメイド『Qi35ドライバー』(以下、Qi35)を前モデルの『Qi10ドライバー』(以下、Qi10)と比較しながら分析していただきます。ここ数年のテーラーメイドのヘッド素材を振り返ると、「ステルスシリーズ」でカーボンフェースを採用し、後継となる「ステルス2シリーズ」ではカーボン使用率が他素材を上回り、そして「Qi10シリーズ」ではヘッドの97%をカーボンが占めるといったようにカーボン主体のクラブ設計に移行しています。
松尾 はい。軽量で強度が高い素材を生かして、重量配分の選択肢が幅広くなり、重心設計の自由度が増し、「Qi10シリーズ」ではヘッドの慣性モーメントを大きくし、ミスヒットへのやさしさを追求したクラブ設計になっていました。

左から『Qi10』、『Qi35 』「Qiシリーズ」の2作目となる今モデルはどんな進化を遂げたのか?
GD 今回の『Qi35』はどんな進化を遂げているのでしょうか?
松尾 フェース角、重心距離、重心深度、ヘッドの慣性モーメントを比較すると性能が見えてきそうです。
GD フェース角からよろしくお願いいたします。
松尾 わかりました。これまでの『ステルス』、『ステルス2』、そして『Qi10』と3シリーズに渡り、オープンフェース設定でしたが『Qi35』ではスクエアフェースになっています。少しボールに対して「かぶり気味」に見える顔になりました。
GD なるほど。見た目につかまり感が出ているわけですね。重心設計についてお願いします。
松尾 重心距離(基準値:39.0~40.0ミリ)が『Qi10』は41.1ミリ、『Qi35』が42.4ミリとさらに長くなっています。続けて重心深度(基準値:39.0~40.0ミリ)を見てみると『Qi10』が42.3ミリ、『Qi35』が42.6ミリと非常に深い設定が継続されています。前モデルよりも長く、深い重心設計がなされています。
この重心変化は左右方向のヘッドの慣性モーメント(基準値:4600~4799g・㎠)に表れていて、『Qi10』が5242g・㎠、『Qi35』は5355g・㎠と大きくなっています。『Qi35』は前モデルと同様にヘッドの慣性モーメントを高め、打点ブレに強い設計にフォーカスしていることが分かります。
GD 『Qi35ドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 この他にもヘッドのフェース側、後方の2箇所にウェイトが搭載されています。標準位置は前方が3g、後方が13gになっており入れ替えることで重心を浅く、低くなるので飛ばしの比重を大きくできます。打点ブレへのやさしさか、それとも飛距離性能にこだわるかで自分好みのフィッテイングができるのも特徴です。
これらを踏まえると、自分の技量に合わせてヘッドカスタマイズしたいゴルファーは試されると良いでしょう。