豪州ツアーのニュージーランドオープンでオーストラリア生まれの31歳、ライアン・ピークが混戦を制し全英オープンの出場権を獲得した。
画像: 両腕にタトゥーを刻むイカツイ男、ライアン・ピークがニュージーランドオープン優勝

両腕にタトゥーを刻むイカツイ男、ライアン・ピークがニュージーランドオープン優勝

比嘉一貴らを1打抑えトロフィを掲げたピークは涙をこらえながら「人生が変わった。物語はあったけれど自分はただここでゴルフをしたいだけなんだ」と訴えた。

4打差の2位で迎えた最終日前夜、PGAツアーで活躍する同郷(豪)の友人ミンウー・リーと共通のコーチであるリッチー・スミスから電話をもらった。

「2人は、4年前には想像もできなかった位置にいるだけでもう勝ったも同然だね、と言ってくれた」

ピークは服役経験がある。その刑期を終えてゴルフを立て直す決意を固めたのが4年前だった。西オーストラリアで生まれ育ち、ゴルフの才能に恵まれた彼は17歳で地元のビッグイベントで優勝するなど将来を嘱望されていた。

しかし20代に入るとゴルフへの興味を失い、レベルズ・モーターサイクルクラブ(暴走族)の一員となり、21歳のときに暴行罪で懲役5年の判決を受けた。服役しているときにリーや米女子ツアーのメジャー覇者で姉のミンジー・リーらを指導するリッチー・スミスから連絡を受けた。

「出所したらまたクラブを握りなさい」という言葉が胸に刺さり改心。刑期を終えてから再びゴルフに没得する日々が始まった。

大会では生涯初めてプロの試合で最終組をプレーした。リードしていたコ・グンテクが終盤崩れるなか、ピークは17番のバーディで1歩リードすると、18番で2.5メートルのパーパットを沈めた。その瞬間、タトゥーが刻まれた両腕の拳を握り雄たけびを上げた。

2日目からは54ホールノーボギーの完璧なゴルフ。失った20代を取り戻すドラマのような復活劇だった。

これで7月の全英オープンの切符もゲット。豪州ツアーの賞金ランクは2位に浮上し、3位以内ならDPワールドツアーに昇格できる。服役中のストーリーは「もう少したってから振り返るよ」とコメントを残した。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号「バック9」より

タイガーやゴルフ界の復活劇

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