
ゴルフルールを決めるR&AとUSGAが2022年から、グリーンの等高線、高低差などの詳細な資料を記載したグリーンブックの使用を禁止したことを受けてJLPGAでも24年から採用している「ローカルルール14項」
17歳のアマチュア・豊田ヒカル(第一薬科大付属高3年)が、JLPGAのローカルルール14項「グリーンリーディング資料(ヤーデージブックなど)の使用を制限する」に複数回違反したため失格となった。
大会初日、第1ラウンドを午前8時25分にスタートした豊田は、前半のアウトコースで委員会が承認していないヤーデージブックを数回使用。前半終了時にそのことが判明し、失格処分を受けたのだった。
実は、このヤーデージブック違反は、昨年の「アクサレディス」でも起きている。当時、ルーキーでプロデビュー戦だった上久保実咲が、やはり同様の理由で失格処分を受けた。上久保の場合は第2ラウンドで同伴競技者のキャディの指摘で判明したため、初日の成績は抹消され、出場試合数だけがカウントされる幻のデビュー戦となったわけだが、なぜ、何度も同じ違反が繰り返されるのだろうか?
問題のローカルルール14項は、ゴルフルールを決めるR&AとUSGAが2022年から、グリーンの等高線、高低差などの詳細な資料を記載したグリーンブックの使用を禁止したことを受けてJLPGAでも24年から採用している。
つまり、23年までは使用を認められていたグリーンブックなのだ。禁止した理由は、プレーヤーがデータに頼りすぎず、自分で考え、判断する領域を広げて、よりスリリングな試合展開にしたいという思惑があったため。
いずれにしろ、違反となるグリーンブックは、相変わらず練習ラウンドなどでは使われている事実もあぶり出されたわけで、プレーヤーにはゴルフの面白さ、醍醐味を追求することの意味を再考してもらう必要があるのかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13&20日合併号「バック9」より