「ほんのちょっとのやさしさ」が散りばめられている
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO MODUS³ TOUR105 DUAL FLOW」（フレックスS）です。掲載数値はすべて実測値となります。
バウンス角がやや大きめでダウンブローでスウィングするゴルファーも扱える。またソール形状が丸く、少し広いので払い打ちでも性能を発揮するアイアンだ
クラブ長さが37.0インチと標準的ですが、クラブ重量が420.3グラムとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが271万g・㎠と大きくなっています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは全体的にオーソドックスな形状で、『242』よりもグースネック感が抑えられており、フェースが少し長く見えます。さらにトップラインが少し広く、ソールの幅が『242』よりも広いことで、やさしさが伝わります。
左から『242』、『258』。『242』よりもグースが控えめでストレートネック感がある
実際に試打したところ、アドレスでは綺麗なスクエア感が出ていて構えやすいです。試打シャフトはスチールらしく、適度なしっかり感があり、ダウンブロースウィングにも耐えてくれます。そして、標準仕様の105シャフトと比べてクラブ重量がほぼ同じですが、ややボールが上がりやすい感じがあります。
フェース素材が兄弟モデルとは違って、軟鉄よりも硬い"クロムモリブデン鋼“が使われており、弾きがいいです。一方でインパクトではややパチン感があり、音も少し高くなっています。
リアルロフトロフト角は30.1度で、ややストロングロフト設定ですが、フェアウェイのあるがままの状態からでもボールは上げられますが、兄弟モデルよりもスピンは控えめです。
重心距離が兄弟モデルと同様に短い設定で、ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが小さく、インテンショナルに弾道を操作しやすくなっています。
重心距離が短く、操作性が抜群のヘッドだ
フェース面のスイートスポットがヒール寄りなので、ボールをヒール側に引きつけて打てるフェード系プレーヤーに、より向いているでしょう。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月10日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
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