33回に及ぶカスタムクラブ試打で人気のヘッドを発表 !
2024年2月6日から連載を開始し、前回で33回目となった『【人気ゴルフ工房のぶっ飛びドライバーをキング・オブ・試打が語る】』。先週は工房から集まった人気シャフトを紹介した。番外編の2回目となる今回は、『ぶっ飛びドライバー』のヘッドに注目し、前回同様ランキングを作成したので紹介していく。
メーカー別ランキング!
複数回紹介したヘッドは計6社。ヘッドに関しては大手メーカーが少なく、ほとんどがカスタムクラブとなったが、兵庫県姫路に本社を構えるバルド、そしてシャフト部門で3位にランクインしたロッディオが4回で1位となった。それぞれ特徴のあるヘッドだが、中でも注目したいのが合計3軒の工房が推薦したロマロ、そして2軒のKAMUI中条(以下KAMUI)だ。ロマロは金属3Dプリンターで創り出した世界初の量産モデルとして注目を集め、KAMUIはヘッド内に窒素ガスを封入することによって耐久性、打球後のヘッドの減速を最小限に抑えてくれるという尖っているヘッドたちだ。
出場回数の多かったヘッドランキング !
次にヘッド名の出場回数順にみていく。1位のロッディオは「M-Tuning」が3軒と1位。バルドに関しては4つともすべて異なるシリーズで出場。多くのヘッドのロフト角が10.5度(リアルロフトではなく表記ロフトで集計)が一番多く、打ち出し角を意識していることがわかる。ロフトが寝ているとつかまりやすい傾向から、全体的にスライサーを意識したヘッドが多い結果となった。この結果を踏まえ、自身に合うクラブヘッドの選び方を堀越プロに聞いてみた。
順位 | ヘッド名(詳細) | 登場回数 |
---|---|---|
1位 | ロッディオ M-Tuning | 3回 |
2位T | ロマロ バリスタ THE FIRST 3D | 2回 |
エポン AF157 | 2回 | |
ムジーク BLACK XSPIRE | 2回 | |
エミリッドバハマ | 2回 | |
KAMUI(中条) TP-XI イレブン nitrogen | 2回 |
クラブヘッドの選び方を堀越プロが解説 !
「現在主流であるヘッド体積が460㏄のドライバーで話を進めますが、ヘッドを選ぶ際に念頭に置くべき要素が5つあります。①ロフト、②フェースアングル、③重心距離、④ライ角、⑤重心深度です」と堀越プロは言う。
「ドライバーの悩みとして多いのは『スライス』、『フック』が上位を占めるかと思います。まずスライサーが選ぶヘッドの特徴としては、『①多め(寝ている)、②つかまり顔、③短め、④アップライト、⑤やや浅め』を選ぶと改善しやすい傾向があります。逆にフッカーの場合は『①やや少なめ(立つ)、②逃げ顔、③長め、④フラット、⑤やや深め』と真逆になります。これはかなり簡潔に伝えた結果となりますが、試す優先順位は①>⑤の順となり、当てはまる項目が多くなれば悩みを解消できる確率が高まります」
上記は、可変式スリーブ(通称カチャカチャ)を使って悩みを軽減、解決できる可能性があると堀越プロは語る。カチャカチャではロフト角・ライ角を調整できるが、ロフトを寝かすことによってフェースアングルがプラスになり、被ってしまうことには注意しよう。
「気を付けてほしいのは、上記は弾道を考慮していない場合という点です。先ほどの⑤(重心深度)が浅いと低スピンになりやすく、所謂 “強い球” になりやすいことは確かですが、重心深度が浅いヘッドはインパクトロフトが立ち気味になる傾向がありますので、理想的な打ち出し角が確保できなくなってしまう可能性もあります。ご自身の弾道やスウィング傾向をしっかり見直し、適切なクラブ調整をしてみると良いかもしれません。またレッスンやフィッティングにて自身に合う最適なヘッドや調整をしてもらえる場合もあります。あまりわからない方は33回に渡り紹介した工房店主さん、または有識者に助言をいただくのも一つの手だと思います」
総評
「今回はクラブヘッド編をお伝えしましたが、同じスライス、フックの悩みでも原因が様々なので、一概に“合うクラブ” を見つけることはなかなか難しいかと思います。ですが今回話したヘッドの特徴、特性を頭に入れておくだけで今の自分のスウィングに合ったヘッドを選べる確率が高まるのではないでしょうか。また最近のドライバーには可変ウェイトがついていることが多く、自身で球のつかまりや弾道の調整がやりやすくなっています。試打クラブを提供してくれた工房店主のような人たちに聞いてみると、新しい発見ができるかもしれません。また過去記事では飛ばしの条件をテーマに話しているので、併せて見るとより理解が深まると思います」(堀越)