今回は『ミズノ JPX925 ホットメタル アイアン』を紹介します。2005年に『JPX E300 アイアン』を皮切りに「JPXシリーズ」が誕生。唯一無二の打感を得意とするミズノが、やさしく飛ばせるアイアンを追求してきたのが「JPXシリーズ」。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「前モデルからブレない設計へと進化したポイントがある」と分析しています。前モデルと比較しながら考察しました。

払い打ちのゴルファーと相性が良い

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO 950GH neo」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

ヘッドの慣性モーメントがやや大きく、打点ブレへのやさしさも備わっている

クラブ長さは37.0インチと「標準的」ですが、クラブ重量が417.3グラムと、軽量スチールシャフトが装着されていながらも「やや重い」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは271万g・㎠と「大きく」なっています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッドはフェースが長くややグースネック、そして広いソールが特徴です。丸みのあるトップラインでアドレスではボールを包み込むようなイメージがあり、ボールをつかまえるイメージが出ています。

画像: 大きいヘッドと長いフェースで構えた時の安心感がある。左から5I(ロフト角22度)、7I(ロフト角28度)、9I(ロフト角37度)※ロフト角はメーカー表記

大きいヘッドと長いフェースで構えた時の安心感がある。左から5I(ロフト角22度)、7I(ロフト角28度)、9I(ロフト角37度)※ロフト角はメーカー表記

実際に試打したところ、アドレスではフェースが長く、ヘッドが大きく感じるので、特にティーアップしたショットで打ちやすそうな安心感があります。またスコアラインが長めなので、打面が広く感じられます。試打シャフトはしっかりしたフィーリングでインパクトの再現性もいい感じです。

リアルロフトが(7番アイアンで)28.3度とストロングロフト設定なので、アドレスでは6番のような感覚があります。スコアラインがフェース面のややトウ寄りに入れられているので、アドレスでフェースの少しトウ寄りにボールをセットすると構えやすいです。

フェース面を含むヘッド素材に軟鉄よりも硬い“ニッケル・クロムモリブデン鋼“が使われているので打感は硬く、ややインパクトの”パチン感”があり、フェース面の弾き感がいい感じです。

ソール面のバウンス角がやや小さいので、ダウンブローでターフを取るスウィングよりも、ターフをほとんど取らないスイープなスウィングのゴルファーと相性が良いでしょう。

フェース長が長く、重心距離も「非常に長い」ので、ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが大きくなっています。ダウンスウィングでヘッドの返りが緩やかですが、ボールがつかまるヘッド形状のおかげでバランスが取れています。

同等の飛距離性能を持ちながら、操作性の高い「ホットメタルプロ」もあるので同時に試打されて、自分にとって打ちやすい方を選ばれるといいでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年10月29日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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