
今年4月下旬より7月中旬まで、第2グリーンをバミューダ・ティフトン系のティフイーグルに変更する工事に入っている太田双葉CC
ベント芝は"速いグリーン"を実現するには一番優れているといわれ、いま日本のゴルフ場での主流。ただ、ベント芝は元々寒冷地が原種。暑さに強い品種が開発されてはいるが、それにしても昨年あたりの真夏の高温は異常だった。
そこでバミューダ(種の固有名詞ではなく、暖地系西洋芝の総称。ティフトンはその中の芝種)に転換するところが現れたというわけだ。
「3年間、辛抱しましたが、もう我慢の限界」と言うのは、群馬県にある太田双葉CC。今年4月下旬より7月中旬まで、第2グリーンをバミューダ・ティフトン系のティフイーグルに変更する工事に入っている。おおむらさきGC(埼玉県)でもすでにサブグリーンをティフイーグルに変更する造成工事(6月末まで)を進めている。
また中・西側のアプローチ練習場もティフイーグルに替えるため、当面の間クローズするとのこと。ただパッティンググリーンは利用可だという。高温で知られる埼玉県熊谷市にある大麻生Gでも、7月中旬までにティフイーグルへの芝種変更工事を実施すると発表している。Aグリーンの新ティフイーグルの使用開始はそれ以降になる。工事期間中はBグリーン(ベント)の使用となる。
そのほか埼玉県では鳩山CC、飯能GC、武蔵松山CC、越生GCなどは一部をバミューダで運用している。
ただ、バミューダには"欠点"もある。繁殖力が強すぎるためグリーンの種が飛んで、フェアウェイの高麗芝、ラフの野芝などはすぐに侵食されてしまう。バミューダのラフなど、ボールがすっぽり入ってロストか、茎が絡んで脱出不能になりかねない。バミューダを高麗に戻すところもあるが、根を深く張って変換するのは容易ではない。バミューダに替えてはみたものの……。
ゴルフ場にとっては悩ましい問題である。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13&20日号「バック9」より